フィギュア:リンク外の平穏も追い風に 浅田2位発進
毎日新聞 2012年11月02日 23時36分(最終更新 11月03日 01時30分)
2日開幕したフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯。女子ショートプログラム(SP)で、リンクに22歳のスマイルが戻ってきた。SPでロシアの新鋭、リプニツカヤにわずか0.17点差の2位と好発進した浅田真央。「全部よかった。スタートダッシュに成功でき、苦手意識のあったSPも越えられたので、気持ちが楽」と明るい表情で初戦のSPを終えた。
冒頭はダブルアクセル(2回転半ジャンプ)。これまで、精度不足を理由に佐藤信夫コーチに制されてもこだわりを捨てなかった、看板のトリプルアクセルをあっさり封印。「負担が少なくなった」と自身も好影響を自覚する。3回転フリップ−2回転ループでフリップに回転不足があったものの、スピンとステップはすべて最高のレベル4評価。今季から基礎点が1.1倍になる演技後半のジャンプでは、3回転ループをしっかり決めた。
ここ数年の浅田は、クラシックなどゆったりとした曲調のプログラムが多かったが、今季のSPは、ガーシュイン作曲のミュージカル曲「アイ・ガット・リズム」。鮮やかなオレンジの衣装も相まって、明るく、前向きな印象を醸し出した。
「ファイナルに行きたいので、この順位を落としたくない。だけど、あまり意識せずに自分の演技を」と浅田。反日感情の悪化が懸念された大会だったが、「中国の人たちも応援してくれてうれしかった」と、リンク外の「平穏」も追い風になっている。【芳賀竜也】