日米共同統合演習:全面非公開に…中国に配慮か
毎日新聞 2012年10月31日 01時22分
防衛省は30日、来月の日米共同統合演習(実動演習)について沖縄周辺海域などで行い、全面非公開にすることを明らかにした。同演習では沖縄県の無人島で当初予定していた離島奪還訓練の断念も正式に発表。尖閣諸島を巡って対立する中国を過度に刺激するのは避ける必要があると判断した。大々的に公開した2年前の前回から一転して非公開にする理由を「安全管理や諸般の事情」としているが、これも同様の理由とみられる。
共同統合演習は来月5〜16日、陸海空自衛隊約3万7400人、在日米軍約1万人が参加して、九州や沖縄などで行われる。関係者によると、沖縄県渡名喜村(となきそん)の無人島、入砂(いりすな)島で予定していた離島奪還訓練の中止は野田佳彦首相が最終的に決めた。同村も反対の意向を示したほか、沖縄県では米兵2人による女性暴行事件で米軍への反発が高まっているが、防衛省幹部は「村の反対や事件は直接関係ない」とした。ただ、防衛省は訓練中止の理由は公表していない。中国の反発を理由にすれば「弱腰」との批判を受けかねないとの判断があるとみられる。【鈴木泰広、朝日弘行】