「為国献身賞」受賞者ら、安重根描いたミュージカル観覧

 「安重根(アン・ジュングン)義士の義挙を目の前で見ているかのようで、胸が熱くなった」

 独立運動家・安重根による伊藤博文暗殺から103年(10月26日)を迎えた27日、ブルースクエア・サムスン電子ホール(ソウル市竜山区漢南洞)で安重根の生涯を描いたミュージカル『英雄』が上演され、「為国献身賞」の歴代受賞者とその家族たちが観覧した。

 為国献身賞は2010年、安重根の死から100年を迎え、国防部(省に相当)と朝鮮日報が共同で制定した賞で、国を守るためひたむきに自らの本分を尽くす軍人、国防・安全保障分野の発展に貢献した軍務員や研究員などに贈られる。賞の名称は安重根の遺墨「為国献身軍人本分(国のために献身することが軍人の本分だ、という意味)」にちなむ。安重根は中国・旅順の監獄で、自身の思想に共感した日本人看守にこの遺墨を手渡している。

 受賞者や家族81人はブルースクエアのレストランで昼食を共にし、午後3時から公演を観覧。公演後にはキム・スヨン、リサ、ソン・サンウンら出演俳優と「為国献身」の遺墨を手に記念撮影をした。家族7人と観覧に訪れた責任部門受賞者のキム・デホン軍務書記官は「為国献身賞の意味と趣旨をあらためて考える機会になった」とコメントした。また、創意部門で受賞したオ・ギョンウォン海軍大尉の母親、キム・ヨンスクさん(59)は「雨の中、慶尚南道の鎮海から車で7時間かけて来たが、見なければ後悔するところだった」と話した。

 『英雄』は、作品をより多くの人に楽しんでもらうため、チケット価格を全席5万ウォン(約3600円)以下と、従来に比べ大幅に安く設定している。受賞者や家族の観覧料は、オフィス家具メーカー・ファシスの非営利公益法人「ファシス木薫財団」が全額支援した。同財団は来年から、為国献身賞も後援する予定だ。ファシスの梁永一(ヤン・ヨンイル)副会長は「公共の利益のために努力と犠牲をいとわない方々を支援するという趣旨に共感し、後援を推進することになった」と話している。

申晶善(シン・ジョンソン)記者
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