国光客運

路線:梨山〜宜蘭

乗車区間:武陵農場→宜蘭

(2009年10月乗車)


 台中県の山間部にある梨山という集落は西の台中、東の花蓮、北の宜蘭の三方に路線バスが通じていますが、そのどれもが険しい坂道を上がってくるバスです。

 三方それぞれの路線が梨山から台鉄の駅付近まで下るための所要時間をあげてみると、豊原客運(台中〜梨山)が台中県豊原まで4時間10分、花蓮客運(花蓮〜梨山)が花蓮県新城まで4時間10分、国光客運(宜蘭〜梨山)が宜蘭県宜蘭まで3時間半とどれも長時間を要します。この3つの路線のうち一番「下界に近い」梨山〜宜蘭間の国光客運バスをここで取り上げます。

 さてこの路線は梨山から省道7甲号を北に下りるのですが、途中この省道を一旦逸れ武陵農場バス停まで往復して立ち寄る出っ張った箇所があります。私は西の台中県東勢から豊原客運でこの武陵農場に着いた後だったので、この出っ張った武陵農場バス停からこのバスに乗りました。

 

 左は武陵農場バス停近くにある昔の停留所風休憩所、右が実際に使われている国光客運と豊原客運の武陵農場バス停です。(※以前当サイトで武陵農場付近の停留所の名称について誤った情報を掲載していたことがありました。お詫び致します。)


 さてやってきた国光客運の宜蘭行きはこの通りリクライニングシートに吊り革がついた車両でした。長距離と近距離両方の輸送をする路線らしい装備ですね。

 


 武陵農場を出て20分ほど、台中県と宜蘭県の分水嶺を過ぎると、さして険しい峠でもないのに気象に影響を与えるのかそれまでの割と良い天気が急に濃霧に変わり雨が降り出しました。あとは蘭陽渓を降りるのみ。険しい山に挟まれた川幅がどんどん広がっていきます。台中県・宜蘭県の両方で険しい山間地を切り拓いてキャベツなど高原野菜を栽培する様子が見られ、長野や群馬辺りをちょっと思い出しました。

 

 このバスは梨山から下界まで一番近道のバスとは言えトイレのないバスということもあってか途中南山で10分休憩停車がありました。大して何もないような集落の道端ですが売店がありトイレとちょっとした買い物くらいはできます。天気が悪く、また途中からの乗車で最前列のマニア席が確保できない乗りバスではさすがに疲れるので休憩が非常にありがたくホッとしました。


 休憩のあとはさら省道7甲号を下り、牛門で省道7丙号に入り、県道196号、葫蘆堵大橋を渡って省道7号とやや複雑な経路を通って宜蘭駅前に到着しました。

 

 このときは苗栗県の竹南から2泊3日かけ鉄道と交差することなく延々と路線バスだけ乗り継いだのでさすがに鉄道が恋しくなってしまいました。鉄道の来ない内陸部だけでもたっぷり乗れる台湾路線バスの奥の深さに改めてびっくりです。


【乗り換えリンク】

■国光客運:台北〜羅東(宜蘭乗り換え)

■豊原客運:台中〜梨山(梨山乗り換え)

■豊原客運:梨山〜武陵農場(武陵農場乗り換え)


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