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事件
【九州から原発が消えてよいのか?】第1部(1) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」
「どうせ原発を再稼働させないならば、いっそのこと4基とも廃炉にしてくれた方がよっぽどましだ。最後に廃炉の作業員に泊まってもらったら旅館を閉め、仕事を探しに都会に出る」
メディアへの不信も募るばかり。どんなに窮状を訴えても「原発マネーに群がる人々」と色眼鏡で見られ、実情を正確に伝えてくれないからだ。
町の旅館組合長を務める小豆さんは原発事故後、何度もメディアの取材に応じ、再稼働を求めた。ところが、取材の最後に「でも100%安全ではないでしょう」と念を押され、「100%ではない」と答えると「事故におびえる地元」「九電に不満」と脱原発寄りの記事にされた。
小豆さんは「こちらの思いを伝えれば世間の風向きも変わるのではないかと期待していたが、大きな間違いでした」と悔しがる。山口さんもこう語った。
「確かに原発の恩恵は受けてきましたよ。でも『今まで通り仕事を続けたい』『生活したい』と願うのはおかしいことですか?」
◇
九州電力の玄海、川内両原発がすべて停止して9カ月が経った。政府・民主党が反原発の圧力に押され、再稼働の判断を先送りしてきたことにより、九州では慢性的な電力不足が続き、電気料金値上げも秒読み段階に入った。このまま原発停止が続けば九州の産業界の先行きは危うい。そして人々の生活はどうなるのか。「原発ゼロ」がもたらす災禍を追った。
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