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事件
【九州から原発が消えてよいのか?】第1部(1) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」
「私たちは九州に安定した電力を供給してきた玄海原発を一生懸命支えてきた誇りがある。安全性にも自信がある。何も悪いことはしていないのに悪者扱いまでされ、これほど苦しまなければならないのか」
岸本英雄町長は怒りを押し殺すようにこう語った。
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「原発がなくなったらもう町には残れない…」
ある玄海町民はこう漏らした。利便性が悪い上、地場産業もない。平地が少なく農業効率化も難しい。町の人々は、原発を誘致するまで貧しい暮らしを強いられてきた。
「親たちの世代は、春に田植えが終わったら出稼ぎに行き、秋の収穫に戻ってきて、終わったらまた出稼ぎにいく。みんなそんな生活を送っていた。もし原発がなければ玄海町は超限界集落となり、とっくに消えていたかもしれない」
ある町職員はこう語った。それだけに「原発でいい思いをしている」という批判には「許せない」という思いがこみ上げる。
「脱原発」圧力に狼狽し、将来のエネルギー政策さえまともに打ち出せない政府に対する町民の不満も鬱積している。このままでは将来の見通しがまったく立たないからだ。金融機関への返済を先延ばしにしてもらっている「山一旅館」経営の山口幸一さん(47)は憤りを隠さない。
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