事件【九州から原発が消えてよいのか?】第1部(1) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」 +(2/5ページ)(2012.9.24 08:45

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【九州から原発が消えてよいのか?】
第1部(1) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」 

2012.9.24 08:45 (2/5ページ)原発

 玄海原発は昨年12月までに4基すべてが定期検査に入り、1月時点では419人の作業員が宿泊していたが、4月までにすべての検査は終了した。出入りする作業員は激減し、8月下旬の宿泊施設利用者はわずか十数人。飲食店やスーパーなどの利用者も一気に減り、町は火が消えたようになってしまった。

 16軒のホテル・旅館は長期滞在を前提にした設計でトイレや風呂も共同であるため、いまさら観光客を呼び込むことは難しい。学生の合宿誘致など新たなビジネスも模索しているが、軌道に乗る保証はない。小豆さんは窮状をこう訴えた。

 「お客さんがゼロでも維持費はかかるし、自分たちの生活費も必要です。今は金融機関から借金しながらかろうじて延命しているが、このままならば1年も持たない。16軒が全滅する日が来るかもしれない。一日も早く再稼働を…」

   ■ ■ ■

 玄海原発1号機が運転を始めたのは昭和50年10月。それから37年間、玄海原発は地元経済に不可欠な存在として組み込まれてきた。

 地元の唐(から)津(つ)上(うわ)場(ば)商工会が5月、玄海町と唐津市を対象に原発が再稼働しない場合の1年間の経済損失を試算したところ、通常稼働時と比べ、地元に落ちるはずの宿泊代12億6千万円、食費5億5600万円が失われることが判明した。

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