事件【九州から原発が消えてよいのか?】第1部(1) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」 +(1/5ページ)(2012.9.24 08:45

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【九州から原発が消えてよいのか?】
第1部(1) 「原発ゼロ」がもたらす災禍 困窮する玄海町「近いうちに旅館は全滅…」 

2012.9.24 08:45 (1/5ページ)原発

 九州電力の主力発電所である玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)は、玄界灘に突き出た巨大な岩盤の上にその威容を誇る。周囲には風光明媚(ふうこうめいび)なリアス式海岸が広がり、良好な釣り場も多い。だが、原発の入り口となる国道204号沿いに軒を連ねるホテルや旅館は閑散としていた。

 「3月頃まではどこもほぼ満室で地元の方々に手伝ってもらっても手が足りないほどだったんですが…」

 家族3人と従業員2人で旅館とビジネスホテルを切り盛りしてきた小豆朋行さん(53)は、真っ白な宿泊客帳簿をめくりながらため息をついた。町内の宿泊施設16軒すべてが同じような経営危機に陥っているという。

 理由はただ一つ。昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け、政府が原発再稼働の判断の先送りを続けたからだ。玄海原発も例に漏れず、原子炉4基が昨年12月25日までにすべて停止してしまった。

 原子炉は通常、13カ月間連続運転し、運転停止後に2~3カ月間の定期検査を義務づけられる。4基の原子炉を有する玄海原発では、年の半分はいずれか1基が常に定期検査を行ってきた。これに伴う技術者や臨時作業員は1基につき約1千人。遠方からきた作業員らは当然近くに宿泊する。だからこそ特別な名所もなければ行楽地もない人口6400人の町で16軒の宿泊施設が経営を続けることができたのだ。

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