もら暦 ???? Days ???


だいあろすの皆へ
この手紙が読まれているとき、ワシはもうこの世におらぬじゃろう。
手紙で残すのは卑怯かとも思うたが、直接会ったらみっともない姿を見せてしまうからの。
やっぱり手紙に書き記すのじゃ。




改まって皆との記憶を思い返しているのじゃが、いろいろやったものじゃのう。
宝探しにかくれんぼ、鬼ごっこ……。
さざんげーときーぱーに負け続けていたときに応援というか観戦にいったこともあったの。


さて、色々と思い出していくかの。


最初に皆と会ったのは、ねおくでの闘技場だったかの。
オヤブンとコブンに戦いに駆り出されたのじゃったな。うむ、あの時からちっとも戦いはうまくなっておらんの。ふふ。
人としての戦いはどうにも性に合わなくてのう。やはり蛇神として暴れる方が慣れておるのじゃよ。
さておき、あの時皆に会いにいってよかったと思うておる。
皆との出会いには本当に感謝しておるのじゃよ。


次に思い出すのは……らんだる洞窟でのことじゃの。
じょにー達に頼むと言われておったのじゃがの……どうやらその頼みを果たせぬようじゃ。
ワシの代わりに、じょにー達の願いを皆が受け継いでくれることを願うばかりなのじゃ。


さて次は何があったかの。オヤブンとコブンとのお別れもあったの。
といってもワシ自身別れの現場には立ち会っておらぬのじゃがな。
「島から出る」という書置きを見つけたときにはびっくりしたものじゃ。
みーりむ海岸で飛び去って行ったであろう海を眺めていたこと。寂しかったがの、しかし皆がいてくれての。
そのおかげで元気が出たのじゃよ。
本当にありがとうの。


そうそう、ちょうどこのころじゃったかの。
じょにーのように「ひっさつわざ」はないのかと言われての。必死で編み出したのが「みしゃぐじーはんぎんぐ」じゃったな。
最初のころはたどたどしい技じゃったが、しばらくすると何も言わずとも技を繰り出せるようになっておったのじゃ。
よく皆を吊って遊んだものじゃの……ん、遊んだのかの? あれは罰を与えたような気がするのじゃが、しかしなぜか喜ぶものが多かったのじゃ。
不思議じゃのう……?


起きだしては皆と遊び、疲れたら寝る。
こんなことを繰り返しておったな、うむ。
一番多く遊んだのは地下水路じゃろうか。何かあるとあそこに行っていた気がするのう。
ごーれむを呼んできてはがいあのいる巌の監獄に放してしょっちゅう大変なことにしていたのじゃ。
あ、いや……それよりかは巌の監獄の前のがーでぃあんのいる通路じゃったかの。
あの通路にがーでぃあんやらをこっそり増やしていたこともあったのう。
ふふ、楽しい思い出じゃ。


おお、そういえば……ろさむんでぃと競い合ったこともあったのう。
まぁあのような腐れにワシが負けるはずもないがの、ふふ。
はろうぃんの力ではげにしてやったのじゃ。今思っても気持ちの良い勝利じゃったの。ふふふ。


後は……何やらしきたりということで皆と一緒にれくすーる・ひるずの橋から飛び降りたこともあったのう。
これは何度か定期的に行っておったの。何やら島の外では年が変わるなどというおめでたいことがあったようでの。それを祝っての飛び降りだったのじゃ。
……一度だけ、なじゃのいる祭壇から飛び降りたこともあった気がするのう。
あのしきたりはこれからも続いていくのじゃろう。いや、続いていってほしいものじゃ。


いーごの奴めが本気を出して街を攻めたこともあったの。
ワシ自身はほとんど何もできなかったが、防衛する者たちを補助したりもしたものじゃ。
世界から存在の力が失われ、まるで色がなくなったかのように見えるほどの出来事……。
ワシが初めて経験した大きな事件だったやもしれぬ。今でも忘れられぬ。
じゃが……楽しかったのう。


忘れられないといえば「破衣」じゃな。
知らぬものもおるかもしれぬが、これはある旅人から案をもらって作り出したげーむなのじゃ。
破る衣とかいて「はごろも」。
敵を倒さずに、敵の着ている衣服だけをうまく破壊するというげーむじゃった。
試行錯誤を繰り返して、何度も遊んだものじゃ。
案をくれた友よ、ありがとうの。


その後じゃったかな。かーみゅと出会ったのは。
見た目こそ可愛らしかったが……その中身はワシ以上の黒さじゃった。あ、いやワシは黒くないでの。
ワシとは比べられないほどの黒さじゃった。うむ、これでよいじゃろう。
あやつともよく一緒に遊んでいたものじゃ。


結婚式に呼ばれたのもかーみゅじゃったな。ワシは勝手にお邪魔しただけじゃがの。
かーみゅが彫った指輪の銘、その縁で……まぁもともと恋人だったようじゃが、結婚式をあげるというでの。
2人でお邪魔したものじゃ。
ちょぉっと手違いで呪われた装備を渡してしまい、急いで村から連れ出したことは今でもまだ覚えておるぞ。


かーみゅと出会うちょっと前じゃったかの。
確か、長い間生産していたこともあったの。
基本的に材料は持ちこみじゃったが、ワシの腕が足りず失敗したりしたものもあったの。
色々と差し入れしてくれたものもおったの。ありがったかったのう。疲れる、お腹は減る、喉はかわくじゃったからのう。


皆と一緒に過ごそうと思っていたのに、ワシがふてくされてしまったこともあったの。
あの時は本当にすまなかったのじゃ。うむ、今からでも可能ならばやり直したいくらいじゃよ。


その後しばらくして皆と一緒に遊べなくなった期間があったのう。
……あの時も別れ方がだめじゃったな。遊べなくて泣いていたのじゃよ、というのは言い訳にすぎぬな。すまなかったのじゃ。
やっぱりワシは皆と遊んでいるときが一番幸せだったのじゃろうなあ……。あのころに戻りたいのう……。
無理な願いとは、わかっているのじゃがな……。


結局、QoAA:Titanは完結させることができなかったの。
途中まで、できておったのじゃがの。たいたんの中から脱出するために地図を書いて罠を設置してということもやっておったのじゃ。
時間が足りなかった、というのは言い訳じゃな。じゃが……せめて後少しの余裕さえあれば、のう……。


おお、そういえばだいあろすばざーるの劇に出演しないかと誘われたこともあったの。
あの時はぷらせーると一緒に出演したのじゃった。いやあ、今でこそ笑えるが本番直前は緊張でお腹がいたくなりそうじゃったぞ。
台詞を間違えたらどうしようであるとか、動きを間違えたらどうしよう、間違ってはんぎんぐで殺してしまったらどうしようなどと考えておったのじゃ。
一応失敗という失敗はなく無事終えることができたのじゃがな。いい思い出じゃよ。


色々な遊びを考えたものじゃなあ。肝試し、すいか割り、雪合戦、風船割り、れーす……どれもこれも皆とそしてでべろふに協力してもらって作れた遊びじゃ。
遊びを考えているときが、試しているときが何とも言えず楽しくての。どうやったらもっと楽しくなるか、どうやったらもっと多くの者が遊べるかと、そればっかりを考えておったのじゃ。
もちろん失敗したげーむもたくさんあったのじゃ。島の外で遊ばれていると聞いた「かんけり」を水脈を利用してやってみたり、かーれいを使っての巨大なすごろくのようなもの……。
長い時間拘束してしまったり、進行があやふやだったりと楽しめない部分が多かったかもしれぬ。そこはすまなかったのじゃよ。
じゃが失敗なくして成功はありえぬ。色々と試して遊んで……其れゆえにワシはワシだったのじゃろうなあ……。


家に帰ると誰かしらが入りこんでいて、話をしていて気づいたら朝になっておったり、
勝手に入り込んだものを本棚で家から出られないよう閉じ込めてみたりとしたこともあったの。
芋の加護を設置したこともあったのじゃ。


手伝いも色々としてきたのう。そらげ、ふらっぐ、ごーれむの追加……。くじ入りの魚を放流したこともあったの。
ろったんと一緒に遊びにいったこともあったのじゃ。
きちんと皆の望む手伝いができていたのじゃろうか。今更ながら不安を覚えるのじゃ。
楽しんでくれていたら、よいのじゃがの……。


さて、と。そろそろ時間かのう。
まだまだ思い出はあるが、全てを思い返せるほど砂時計は残っておらぬようじゃな。

思い返してみれば、ワシは皆からいろいろなものをもらっていたのじゃな。道具的なものもあれば、笑顔やらやる気というものもある。
多くの、本当に多くのものをもらったのじゃ。
じゃがワシはそれに見合うものを返すことができたのじゃろうか。


楽しい思い出もあれば、そうでない思い出もある。皆に多くの迷惑をかけたこともある。
そのことについては本当にすまないと思っておるし、ワシを嫌いになったとしても仕方がないと思うておる。
最期にもう一度だけ謝っておくのじゃ。本当にすまなかったのじゃ。


振りかえれば泣いて笑って、ありふれた一生じゃったかもしれぬ。それでも皆と出会えたことは、最高の幸運じゃった。
皆と一緒に笑えて、ワシは幸せじゃった。


よし、ここでくいずじゃ。

OFWUOHCI


おやぶん、こぶん、じょにー、0.5ぼると、fanfan、とらでぃすかんと、ろさむんでぃ、ささがけ、ほほじろう、ろったん、かーみゅ、どんどこどん、若王子
多くの旅人たち
ほんとうにありがとうなのじゃ
どうか、すえながくしあわせに

りんねの先でまたよろしくじゃ


この世に愛するものを残しているのは、どれだけ心残りなことじゃろうな。
……さあ、それでは眠ることにするかの…………。


                          ミシャグジー