ネット預金不正送金:30分内に引き出し 中国人グループ、緊密に連携 /埼玉
毎日新聞 2012年10月26日 地方版
中国人組織によるインターネットバンキングの預金不正送金事件で、中国籍の男性(27)名義の銀行の預金口座に計500万円が不正送金された後、30分以内にほぼ全額にあたる495万円が引き出されていたことが25日、捜査関係者への取材でわかった。県警は、中国人グループが不正送金から現金引き出しまで連絡を取り合い、速やかに事件を進めたとみている。
捜査関係者によると、中国籍の男性は昨年9月7日に関西地方の銀行窓口で自ら495万円を引き出し、取りに来た2人組の男に渡したと説明。不正送金されてから現金を引き出すまでの時間はわずか二十数分だったという。2人組の男が現金を引き出すタイミングを指示したとみられる。男性は、口座に残された5万円に加え、男から30万円を受け取り、計35万円の報酬を得たと説明したという。
県警は、不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕した尚洋容疑者(32)が、現場指導役の2人組の男に指示を出していたとみている。【田口雅士】