世界戦に向け調整するチャンピオンの山中慎介=東京都新宿区で
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WBC世界バンタム級タイトルマッチで2度目の防衛戦に臨む王者山中が29日、東京都新宿区の帝拳ジムで公開練習を行った。
「すいません」。ミット打ちの際、山中がイタズラっぽい笑みをこぼしながら大和心トレーナーに平謝りだ。カウンターの右フックがトレーナーの顔面をかすめたのだ。それも2度。「すいませんじゃないねえよ」と、トレーナーは恐怖におののいた。まともに当たれば失神KO、病院送り必至のあわやの場面。一刻も早く人を殴りたいという山中の絶好調ぶりを象徴するシーンだった。
そればかりじゃない。「イテテテ」と、トレーナーは山中の必殺の左ストレートをミットで受けるたびに悲鳴を上げた。「山中のパンチは特殊。拳じゃなく、針が刺さったような痛みが手のひらに突き抜ける」とトレーナーは証言。かつて石の拳といわれた名ボクサーがいたが、山中の場合は「針の拳」だ。
先日、第1子となる長男・豪祐(ごうすけ)君が誕生し、精神面も充実。帝拳勢は西岡利晃、粟生隆寛と世界戦2連敗中だが、マイペースの山中はどこ吹く風。「針の拳」でロハスにも悲鳴を上げさせる。 (竹下陽二)
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