WBCフライ級タイトル戦に向け、公開練習するチャンピオンの五十嵐俊幸=東京都新宿区の帝拳ジムで
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WBC世界フライ級王座の初防衛戦に臨む五十嵐俊幸(28)が30日、東京都内の帝拳ジムで公開練習した。7月の王座奪取で自信をつけ、それまでとは別人のような風格を漂わせた。試合当日の入場コールを、親交のあるタレントのデーモン閣下が行うことも明かした。
地位が人を作るとは、五十嵐のことだ。7月に王座挑戦をした際は、どことなく頼りなさそうに見えたが、今やその立ち居振る舞いや言動に、別人のような風格を漂わせているのだ。
「相手のビデオはちらっと見ただけ。深く考えてない。戦い方はリングに上がって手を合わせて考える。自分で試合を組み立てたい」
自信満々。元世界王者で帝拳プロモーションの浜田剛史代表は「世界王座を取ると取らないでこうも変わるものか。びっくりするくらい変わった。以前は一生懸命さだけだったが、今は一生懸命さの中に堂々としたところがある。アウトボクシングしかできなかったのに、強打の王者と打ち合って王座奪取したことが自信になったのか、今はアウトボクシングも打ち合いもできるスタイルに変わった」と急変ぶりに舌を巻く。
そんな五十嵐に心強い援軍。王座挑戦時には親交のあるデーモン閣下が来場したが、今回は多忙のためスクリーンから魔界パワーを送るという。大会関係者によると「英語のメッセージ入りの閣下の入場コールを収録ずみ。会場で入場時にスクリーンで流す予定」とのこと。
高校時代はエレキギターを趣味とするロック少年で、心から閣下を尊敬する五十嵐は「一緒に食事に行って来場を直訴したけれど、スケジュールが合わなかった。でも、別の形で応援してもらえる。閣下の期待に応えられるように頑張りたい」とキッパリ。10月に入って、西岡、粟生が世界戦で連敗。11・3の2大世界戦のセミを務める五十嵐が負ければ、メーンの山中にも悪影響は必至。1カ月足らずで帝拳の誇った4人の世界王者が全滅する最悪シナリオが現実のものとなる。「負の連鎖」を断ち切るのは、五十嵐しかいない。 (竹下陽二)
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