短編外伝第一話
ゆうかりんサンタが殺ってくる。
side ルーミア
「この話は外伝なのだー、第十七話まで読み終わった後ぐらいに読むといいのだー
この時点でこのキャラを知っているのはおかしくね?とか壊れすぎじゃね?という所もあるかもしれないけど、外伝だから許して欲しいのだー
後で辻褄合わせするかもしれなけいどー
それと、展開がいつも通りのベタなパターンだけど、大目に見て欲しいのだー」
「チンチン!?ルーミアちゃん突然どうしたの!?目の焦点が合ってないわよ!?」
side リグル・ナイトバグ
ご存知の通り、人間の里は幻想郷のバランスを保つために、八雲紫によって密かに守られています。
しかし、あの異変は、博麗霊夢、八雲紫共に未然に防ぐことができず、大きな被害を人間の里に与えました。
依然として犯人が見つからず、人間の里の人々を疑心暗鬼の渦に落とし込んだ、あの恐ろしい異変の真相をお話させていただきます。
時は去年の12月。
幻想郷にも年の瀬が押し迫って来ていた時の話です。
誰もがお正月に向けて慌しかったその日、僕は太陽の畑にいました。
そしてそこには、密かな野望を胸に秘めた、一人のクリーチャー…
じゃなくて、風見幽香さんがいたのです。
「リグル準備はいい?」
「あの幽香さん?「ゆうかりんサンタ!」あの、ゆうかりんサンタっていったい何なんですか?」
「外の世界には、12月24日か25日あたりをクリスマスと言って、その時に子供達の所にプレゼントを配るサンタクロースという怪人が現れるのよ。
でも幻想郷にはそんな怪人は居ないわ。だから私がプレゼントを子供達に配るのよ。」
「どうして、幽香さんが「ゆうかりんサンタ!!」ゆうかりんサンタがそれをする必要があるのか分からないのですが…」
「これを見なさい!」
幽香さんが出したのは『文々。新聞冬の増刊号 特集 子供に人気のある妖怪トップ10』という記事でした。
ええ、それがあの異変の元凶だったのです。
「えーと何々。1位 射命丸 文!? 子供達のコメント お菓子を何時もくれるのでアタイは文が大好き「そこじゃない!もっと下!!!」は、はい!!」
「番外編 最も人気の無い妖怪
1位 風見 幽香
子供達のコメント
怖いウサ。
目が合ったら死ぬって聞いたことがあります…ハニューちゃん助けて…。
サディストとは遊んだら駄目って藍様が…。
2位 八雲 紫
子供達のコメント
なんか臭いのだー。
リリカの体を、嘗め回すようにジロジロ見るのは止めてください!
藍様のお母さんだから大好きです。」
「このように、私の素晴らしさがまったく子供達に伝わってないの。
私は子供が大好きで、優しくて強い、素晴らしい妖怪なのよ!だから子供達に私がプレゼントを配って、私の素晴らしさ伝えるのよ!!!
なんでも、サンタクロースという奴は、子供達に大人気らしいのよ。だから私が幻想郷のサンタクロースになって、子供達から大人気になるのよ!」
本人も少し隠しているので知られていないのですが、実は幽香さんは子供とか可愛いものとかが大好きなのです。
ですので、この結果には納得できなかったらしく、ああいう行動に出たのだと思います。
あ、この子供が好きという所はオフレコでお願いします。
正直に言うと僕は乗り気ではなかったので、発想はとにかく、日々の行いを改めたほうがいいと思いましたね。
でもそんなことは言えるはずも無く…
「そんなことをするより、この記事を書いた文さんをどうにかした方がいいんじゃ…」
と文さんに矛先を向けてしまいました。
「そっちはもう済んでいるわ。」
矛先を向けてしまって、ごめんなさい文さん。
と思っていたら、どうやら文さんは、既に亡き者にされてしまっていたようです。
これには驚きました。
え?じゃあ、僕と話している私は何なんだって!?
あははははは…そうですよね、文さんは生きてました。
でも、この時は本当に幽香さんに殺されたのだと思いましたよ!!
だいたい、どうして文さんは生きているんですか!?
コレクションを分けた!?
え?それってどういう意味ですか???
何でもないです。今話したことは忘れてください。ですか!?
はあ…まあいいです。
とにかく、幽香さんの人気アップのために、僕達は幻想郷の夜を飛び回ったんです。
最初に出会ったのは…
そう、魔理沙さんでした。
魔理沙さんは大きな袋を担いで、箒で飛んでいました。
多分、どこかに盗みに入った帰りだと思います。
「見つけたわ!!さあプレゼントを渡すわよ!!!」
「ゆうかりんサンタ!?プレゼットって何を渡すんですか!?」
「これよ!!」
幽香さんが出したのは大きな向日葵でした…
え?どうして向日葵がプレゼントなのか?ですか?
幽香さん曰く「寒い冬に向日葵だなんて洒落てるから、喜ばれるに決まっている。だいたい、フラワーマスターである私が断腸の思いで刈り取った向日葵を喜ばない筈が無い。」とのことだそうで…
ええ、文さんの言うとおり、かなり無理がある発想だと思いましたよ。
でも、そんなこと言える訳無いじゃないですか!!
ごめんなさい…怒鳴ってしまって…
では、続きを話しますね。
それでですね、気がついたら魔理沙さんに向日葵が刺さっていました。
「ゆ、ゆうかりんだ!?逃げるぜ!!!!!スピード勝負なら負けないぜ!!!!!!」
「甘い…プレゼントを受け取れ!」
という感じで、向日葵を幽香さんが投げまして…
こう、ブスッといってしまいました…
ええそうです。
お尻に刺さってました。
はい?
魔理沙さんが新年早々に痔になった記事を書いた?
ああそうですか…
間違いなく、幽香さんが原因ですね。
ご愁傷様です。
それで次に向かったのがアリスさんの家です。
といっても、当時は面識が無かったので誰の家か知りませんでしたが…
「なかなか幸先のいいスタートね…次はあの家にしましょう。ねえリグル。ちょっと様子を見てきてくれる?」
「はい…」
という感じで、僕はアリスさんの家を覗きに行くことになりました。
「シングルベールシングルベール鈴が鳴る~今日は楽しいクリスマス~」
そこで目にしたのは、友達と書いた張り紙を着けた人形達と一緒に、ケーキに向かって歌っているアリスさんの姿でした。
おまけに…
「こんなことをしていても楽しくないわ…
そうだ…
聖夜の意味を性夜と取り違えている馬鹿共を呪えば、きっと楽しいわ!!!!!
来たれ嫉妬の神よ!バカなカップル共に制裁を!!!バカなカップル共に地獄の苦しみを!!!!」
と、突然言い出して、なにやら怪しいマスクとワラ人形を取り出し始めたので…
「ゆうかりんサンタ。あそこには子供はいませんでした!」
思わず、全て無かったことにしてしまいました。
止めるべきだったのでは?ですか。
確かに、止めるべきだったのかもしれませんが、幻想郷でクリスマスを知っていて、尚且つカップルでクリスマスを楽しんでいる人なんて居ないと思いますよ~。
あ、このことはお願いですから記事にしないでくださいね!!
こんなことを記事にされたら、冗談抜きでアリスさんは首を吊ってしまいますよ!
面白そう!?
バカなことを言わないでください。
アリスさんはずっと友達がいなかったけど、勇気を出したおかげで、ついに友達を手に入れることができたんです!
それを、滅茶苦茶にするなんて、僕だって絶対に許しませんよ!!
今の僕とアリスさんは友達ですからね!!
それに、そんなことになったらハニューさんが文さんを許すと思っているのですか?
…
…
分かってもらえてよかったです。
アリスさんの次ですが、一回空振りになってしまったので、次は「確実に子供が居る所にしよう。」ということで八雲家に向かうことにしました。
あそこには、橙ちゃんが居ますから。
ところが、橙ちゃんの部屋に入ったところで、藍さんに見つかってしまいました。
「いったい何者だ!?危なかった…橙の寝顔を撮影していなかったら気がつかないところだった…」
「そこの狐さん?クリスマスプレゼントを持ってきただけだから、退いてもらえるかしら?」
「クリスマスプレゼント!?どうせ橙を襲って、橙を大人の女にしてあげるのがクリスマスプレゼントだよ。とか言うのは分かってるんだ!!!氏ね!!!」
という感じで、まったく会話が噛み合わない状態でして。
気がついたら、藍さんの尻尾を幽香さんが三本ほど引っこ抜いてしまっていました。
それはもう…地獄絵図でしたよ…部屋が血で染まり、幽香さんも真っ赤に染まっていましたからね。
幽香さんは「まあ!服が赤くなって、サンタクロースっぽくなったわ!」って喜んでましたけど…
とにかく、その後、泣き叫ぶ橙ちゃんに向日葵を渡して退散しました。
おかげで、一ヶ月近く橙ちゃんとまともに会話ができなくなってしまいましたよ。
ハニューさんに仲を取り持ってもらえなかったら、今頃どうなっていたか…
あっ!ごめんなさい。
物思いに耽ってしまって…
次ですよね。
次は紅魔館に向かいました。
「ここは当主以下、子供がいっぱい居るから、ボーナスステージね!」と幽香さんは張り切っていましたが、嫌な予感しか、しませんでした。
「ここを勝手に通すわけにはいきません!」
その日は、ハニューさんが企画したパーティのためか警備が手薄だったので、いきなりめーりんさんに鉢合わせしてしまいました。
はい。
そうです。ハニューさんも何故かクリスマスを知っていて、あの日はハニューさん主催でクリスマスパーティという何かの催しを行っていました。
そのため、ジオン所属の妖精メイド達は全員そちらに向かっていてかなり手薄でしたね。
もちろん、何人か門番隊の妖精達も居たのですが、血に染まった幽香さんを見るなり逃げ出してしまっていまして…
そうなんですよ。
あの時の幽香さんの見た目は、そりゃ恐ろしいものでしたよ。
話は戻りますが、紅魔館に着く前に三人組の妖精に出会ったのですが、幽香さんに出会うなり三人とも失神してしまう程でした。
とにかく、まともに会話ができたのは、めーりんさんが最初でした。
「メリークリスマース。かわいい子供に、ゆうかりんサンタからプレゼントよ!」
さすが幽香さんと言うべきなのでしょうか。
めーりんさんにプレゼント(向日葵)を渡してしまいました。
これで、無事に紅魔館に入れるかと思ったのですが…
「わあ、ありがとうございます!でも私が子供って…幽香さんってやっぱり私よりかなり年上なんです ドゴォ!!!!!
めーりんさんが門に突き刺ささるという結末になってしまいました。
ええ…
文さんが呆れるのは分かります。
この人は、血に染まらないと前に進めない呪いがかかっているのかと思いましたよ。
本人は「えへ、変なことを言うから手が滑っちゃったわ!!ごめんね、向日葵をもう一本あげるから許してね!」と可愛いく誤魔化してましたけど、まったく誤魔化せていませんでした。
そして紅魔館の中に入ったのですが…
紅魔館に入って最初に出会ったのが、咲夜さんでした。
強敵ですが、幽香さんなら、なんとかなるかな?と思ったのですが…
咲夜さんに、紅魔館を追い出される結果になってしまいました。
どうしてか?ですか…
確かに、幽香さんの方が実力は上です。
しかし…
「あなたはPADが欲しいと事前のリサーチで分かっているけど、生憎PADは無いからこの向日葵をブラジャーに詰めて我慢してくれる?」
と幽香さんが言った後の咲夜さんの攻撃は凄まじかったのです。
幽香さんの名誉のために言っておきますが、これは喧嘩を売ったのではなくて、本当に咲夜さんに申し訳なくて言ったんですからね。
え?弁護になってない?
確かにそうですね…
とにかく、咲夜さんは変なポーズを取りながら「無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァ!」とか言って、幽香さん相手に肉弾戦を挑んできたりして…
もの凄い攻撃の嵐でした。
あまりの勢いに僕も幽香さんも圧倒されてしまって、あっという間に紅魔館から追い出されてしまいました。
え?
幽香さんの様子はどうだったって?
そりゃ、憤慨していましたよ。
でも、咲夜さんとの弾幕ごっこ(?)で時間をかなり浪費したことに気がついて、最後は紅魔館に入るのを諦めました。
幽香さんは、ああ見えてちゃんと頭を使う人なんですよ。
ちょっと頭の使い方が間違っていることが多いですけど…
ということで結局、紅魔館でプレゼントを渡せたのはめーりんさんとハニューさんだけでした。
ハニューさんの話なんて聞いていないですよ!?ですか!?
ハニューさんの話は、どうせ記事にできないので、話さなくていいかなと…
わ、分かりました!ハニューさんについては、これからお話しますから落ち着いてください。
幽香さんが、紅魔館に再度突入すべきかどうか思い悩んでいたとき、紅魔館の門を潜って外に出てくる人影が一人。
それは一見すると、クリスマスパーティでほろ酔い加減になった状態で、幽香さんと咲夜さん戦闘の様子を窺いに来たように見えるハニューさんでした。
はい?
…
そうです。文さんの言うとおりです。
『一見すると』とは、あくまで演技だということです。
まずは、話を全部聞いた方が意味が分かると思いますので、続きを話しますね。
フリフリのドレスで着飾ったハニューさんが、まるで酔っ払ったような千鳥足で危なっかしく歩く姿が幽香さんのツボにはまったようで…
幽香さんは、ハニューさんに駆け寄ると「まあ可愛いわね!可愛くて良い子のあなたに、ゆうかりんサンタからクリスマスプレゼントよ!!」と向日葵を渡しながら大喜びでした。
それに対して、ハニューさんは「わあ!!真冬に向日葵!?…こんな貴重なものをありがとうございます!!!」と、まるでプレゼントを喜んでいるかのように、目をキラキラさせて…
「サンタさ「ゆうかりんサンタ!」ゆうかりんサンタ!!ありがとう!!大好き!!」と言って幽香さんに抱きついてしまいました。
流石ハニューさんだと思いましたね。
え?話を全部聞いたのに、全然意味が分からないですって!?
うーん。
では、少し補足しますね。
先ほど、幽香さんは頭を使う人だと言いましたが、だからといって紅魔館を諦めることに抵抗が無かったわけでは無いのです。
幽香さん曰く「あの子がプレゼントを喜んでくれたおかげで、紅魔館を訪れたことは無駄では無かったんだと気持ちの整理がついたわ。あれが無かったら、無念さで後からもう一度紅魔館に向かっていたかも…」とのことでした。
一方、ハニューさんはクリスマスパーティを主催していました。
しかし、参加者は紅魔館のメイド達なので、何か万が一のことがあればパーティを止めて出撃しなくてはならないという問題がありました。
つまり幽香さんは、ハニューさんにとってクリスマスパーティの障害だったわけです。
だから、ハニューさんは幽香さんを喜ばして、二度と紅魔館に来ないように仕向けたのだと思います。
それは考えすぎですって!?
考えすぎじゃないです!
確かに、ハニューさんが出てきた後、僕はハニューさんに見つからないように隠れていたので、想像力頼りの部分があるのは事実ですけど…
ハニューさんのことは、僕の方が文さんよりよっぽど詳しいです!!
よく考えてください。
ハニューさんが現れたとき、幽香さんは戦闘の直後で気が立っていて、殺気立った妖気が駄々漏れだったんですよ。
それこそ、ハニューさんの後を追いかけてきた妖精の足が竦んでしまう程です。
おまけに、辺りが暗いとはいえ、血塗れですよ!?
こんな状況で、平然と貰ったプレゼントに喜んでいられるなんて、ありえないですよ。
大体、そんな状態の幽香さんがサンタだと名乗っても、素直に信じる人がいると思いますか?いるわけ無いですよ!!
そう考えると、明らかにハニューさんの行動って不自然ですよね?
そりゃ、幽香さんの殺気立った妖気も、血塗れであることにも気がつかないぐらい『無知・無力な存在』で、まるでお酒で酔っ払っているときのように『無邪気で無防備な存在』だったら自然な行動だといえますけど…
あのハニューさんですからね…それはありえないです。
あ、分かっているでしょうけど、ハニューさんに関することもオフレコでお願いします。
幽香さんって結構繊細な所があるので、あの時のハニューさんの行動が演技だと知ったらショックを受けてしまいますからね。
でも、これも面白そうだから記事にしたいですって!?
止めた方がいいですよ…
万が一、幽香さんがガセネタだと思って逆上したら…僕も文さんも多分…
僕が記事にできないって言った理由、わかりますよね?
…
この話題はここまでにしましょう。
紅魔館の次は、幽香さん曰く「紅魔館での失敗から学んだ。」ということで「量より質よ。」とか言い出して、博麗神社に向かうことになったんです。
幽香さん曰く「博麗霊夢に好かれたら、幻想郷中の子供に好かれたも同然。」だそうです。
正直、イマイチ意味が分かりませんでした。
そんなこんなで、博麗神社に着いたのですが…
何故か八雲紫さんが博麗霊夢の寝室にいて、鉢合わせしてしまったんです。
「霊夢を大人の女にしてあげるわ。これが私からの、愛のクリスマスプレゼントよ~!!!」
ああ、式と主人とはいえ親子なんだなと、その時思いましたね。
何故冬眠中のはずのこの人がここにいるのか?とか、色々と疑問に思いましたが、幽香さんとの壮絶な弾幕ごっこが開始されたので、僕は逃げました。
勝敗ですか?
つかなかったです。
途中で博麗霊夢が起きてしまいまして…
幽香さんが置いた向日葵に、大喜びで食いついたからです。
ええ、文字通り。
口に入れる方の、食いついたです。
冬場だったので、かなり食べ物に困っていたようですね。
それを見て、幽香さんは満足して引き上げたという訳です。
その後の、博麗霊夢の貞操の行方ですか?
さあ?それは分からないですね。
え?そのまま家に帰ったのか?ですか…
もちろん、そのまま家に帰った訳ではないです。
ことの始まりは、香霖堂の近くを通った時に聞こえてきた願い事です。
朱鷺子さんが、流れ星に願い事をしていました。
それを偶然を聞いてしまいまして…
内容ですか?「香霖堂が繁盛しますように。」と祈っていましたよ。
あとは…「来年はもっと美味しいケーキが作れるように。」とも祈っていた気がしますね。
とにかく、最初の「香霖堂が繁盛しますように。」という願いを聞いて、幽香さんは思い付いてしまったのです。
実はちょうどその時、大量に向日葵が余ってしまいましたので、それを人間の里の子供達に配ろうということで、人間の里に向かっている途中でした。
朱鷺子さんの願い事を聞いた幽香さんは、ただ配るだけではなく、朱鷺子さんの願いも叶えてあげようと考えたのです。
幽香さんは、向日葵一つひとつに「香霖堂をよろしく」と書き込んでいきました。
あんな芸当を器用にこなすなんて、流石フラワーマスターだと思いましたね。
そこまでは良かったのですが、もう夜明けが近付いていたので「一軒ずつ配っている時間が無い」とか言い出して向日葵をばら撒いてしまったんです。
そうです。
人間の里の上空、数千mからです。
おまけに、風に流されずに人間の里にちゃんと落ちるようにと、弾幕のように妖力を籠めた奴をです。
はい、そうです。
これがあの異変の真相です。
異変を未然に防げなかったのは、八雲紫が博麗霊夢を襲おうと必死になっていなかったため…
そして異変そのものである、真冬の夜に人間の里を襲った向日葵の雨の真相は、幽香さんからのクリスマスプレゼントだったんです。
大穴が開いた家とかが続出して大惨事になったようですが、奇跡的に死人は出なくて本当によかったですよ。
ええ。
ですので、犯人と疑われたこーりんさんは、まったくの無実です。
朱鷺子さんとの絆が一層深まって、婚約の直接的な原因になった事件でしたけど…
ちょっと可哀想でしたね。
え?
謝りには行かないのかって?
実は、こーりんさんにこんな芸当が出来るはずが無いってことで、疑いが晴れた後に一度謝りに行ったのですが…
家の中を覗いたらこーりんさん達、幸せそうにベタベタしていて…もの凄く声をかけ難くて…そのままです。
事実をすぐに公開すれば早かったのでは?ですって!?
そんなこと言われても…
あの状況で真実を明かす勇気なんて、僕にはありませんよ。
それに、こうやって今、真実を話しているじゃないですか!!
あの…
因みに、誰が喋ったか、本当に分からないように記事にしてくれますよね!?
もし、僕が喋ったと分かったら…
い、嫌だ…僕はまだ死にたくないーー!!
そ、そうだ、ハニューさんなら、ハニューさんなら、きっと幽香さん相手でもどうにかしてくれる…
え?
ハニューさんのクリスマスパーティーに参加せずに、悪事を働いていた僕をハニューさんが許す筈が無いですって!?
そんなこと言わないでくださいよ!!
何でもしますから、絶対に僕が喋ったと誰にも言わないでくださいね!!!
はい?
写真を撮らせてくれたら、絶対に喋らない!????
それぐらい、いくらでも撮らせてあげますから、お願いします!!!
あれ?
その怪しい笑顔はなんですか!?
駄目ですよ!!!
男の子の格好なんてしませんよ!僕は女の子なんですよ!
え?
スカートを穿けばいいんですか?
まさか、僕のスカートの中を撮影させろとか言う気じゃ!?
はい…そんなことはしない…?
ただ立っていればいい、ですか…
随分と普通の撮影ですね。
ちょっと予想外です。
うう…
でも、久しぶりにスカートなんて穿くと、ちょっと恥ずかしいなあ…
え?
その恥らう姿がたまらない!?
な、何を言っているのですか!?
side 風見 幽香
フフフ…まだ秋にもなっていないのに…
今年の『文々。新聞冬の増刊号 特集 子供に人気のある妖怪トップ10』が楽しみで仕方がないわ…
ゆうかりんサンタ効果のおかげで、結果が分かっているというのが少し面白くない所だけど…
これぞ王者の悩みというものね、フフフ…!!
さて、今日の文々。新聞はと…
あら?
チラシが入っているなんて珍しいわね…
『待望の女装少年シリーズついに発売!モデルはデビュー前ながら、幻想郷ナンバーワンの女装少年との声も上がっているR・N君!ご注文及び詳細は、文々。新聞社(裏)まで直接お問い合わせください。なお、この広告は裏会員様にのみ配布しております。』
…
…
子供好きの私としては、子供の研究のために資料として必要ね…
これは研究のため、これは研究のため、これは研究のため…
ふう…
さて、気を取り直して、今日のニュースはと…
うん?なにこの記事…
『大変申し訳ありませんが、毎年恒例の特集となっておりました、子供に人気のある妖怪トップ10は諸事情により今後休載することが決定いたしました。』
な、なによこれは…
私がランキング一位を独占し続ける夢が…
こんな…
こんなことって…
これから何を楽しみにして生きていけばいいの…ゆうかりん泣いちゃう…
いや、泣いている場合じゃないわ、行動あるのみよ!ランキングが無くなろうとも、子供達の人気者と言えば、『ゆうかりん』となるその日まで私は走り続けるのよ!!
といっても、何から手をつけようかしら…
そうだわ…
私は『ゆうかりんサンタ』…幻想郷のサンタクロース!
もしも、外の世界のサンタクロースが消えれば、私が唯一絶対のサンタクロースになることができる…
そうなれば、子供達の人気も…私一人のモノ!!!!!!
サンタクロース…あなたが幻想郷を訪れたその日が、あなたの命日よ…フフフ…
side 光の三妖精
「この向日葵、絶対に凄い向日葵だって!!」
「確かにサニーの言うとおり、あの怖い妖怪に出会ったけど、私達は無事でこの向日葵が手元にあって…この向日葵が守ってくれたのかなあ?」
「とりあえず、私達の力で枯れないようにして早数ヶ月…何度見直しても普通の向日葵なのよね。」
「「「うーん…」」」
side ルーミア
「文が一番悪いのだー、文みたいに悪いことをしていると、サンタは来ないから注意するのだー
_,. -‐ '"`'"´‐- .,_ l::::!::::://::,.:::::::::::j
,. '´ ヽ:i::::7-‐'´::::::::::/
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/´ 、 i 、 ヾ , ハ
/. / ハ1 l 、 ,} i i ,
〃 / / / i ! ト、 l1 ヽ i l ! l
/7 / / j! lハ,1 , lヽ ゞ、 i ! | !
// / { ハ i l ! ヾ ヽミ リ! リ1ハi l
/ /7 / , / 1 ! l| ヽ _,.」L ‐- 、 l| ! リj1}! i
〃イ/ /! ト、 l! 」_ l ヾ ヾ ヽ ヽ `メ、 /イリj !
レ / ! l| ! l i ,升 ヽj ヽ ヽ,ィf斤汽ミ、 l|! /ィ1 |! l
l| i {i ハ1 ン1 l}ィfチ㍉ ` ! トr丐イネ}|l! /´l | j l!
! l , ! 从 ! ヽ l{ マr外 、うェ外j! ノ j1! l l|
V1リヘ l卞ゝ弋rり `ー‐'´ /1 l !l !j'1l
ヽ1/ ヽlヽヘ xxx 、 xxx/7! // j j/7!
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メリークリスマス 」
「-‐ '"`'"´‐- .,_ l::::!::::://::,.:::::::::::j!?チンチン!?ルーミアちゃん!?言葉になってないわよ!?何を喋ってるの!?
ルーミアちゃん疲れているのね…ハニューちゃんと一緒に病院にでも連れて行ったほうが…」