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【プロ野球】

疑惑の判定 シリーズ初危険球退場 巨人・加藤は大ブーイング浴びる

2012年11月2日 紙面から

4回表無死一塁、多田野を危険球・退場と判定した球審柳田(左端)と、抗議する栗山監督(中央左)。捕手鶴岡(右端)=札幌ドーム

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◇コナミ日本シリーズ2012<第5戦> 巨人10−2日本ハム

 巨人が先発全員安打で快勝。2回にボウカーの2ランで先制し、2−1の3回は坂本の適時打などで3点を追加。4回は坂本の犠飛で1点を加え、5回には加藤の2点二塁打でリードを広げた。先発の内海は尻上がりに調子を上げ、8イニング2失点と粘った。日本ハムは先発の吉川が3回途中5失点と誤算。打線も序盤の好機で畳みかけられなかった。

     ◇

 本拠地・札幌ドームで、疑惑の判定に泣いた。日本ハムには後味の悪さだけが残っていた。絶対に納得のいかないジャッジに水を差され、巨人に王手をかけられた。

 問題のプレーが起こったのは4回無死一塁。加藤の送りバントを阻止しようと、2番手の多田野は内角高めへ直球を投げ込む。これに加藤はのけぞって転倒し、柳田球審は「ファウル」と判定。スコアボードにはストライクのランプが点灯。しかし、原監督が死球かと聞いた後、柳田球審はヘルメットに当たったとして死球にジャッジを変更。中継のリプレイ映像では投球は当たってはいないが、ビデオ判定は採用できない。柳田球審は多田野に危険球退場を命じた。

 「バントにいっているでしょ」。血相を変えて飛び出したのが、栗山監督だ。身ぶり手ぶりの猛抗議を続けた。やりとりの中での言葉の行き違いで激高。「オレを退場にしろ!!」と声を荒らげた。でも、判定は覆らない。投手は多田野から森内に交代。流れは日本ハムから巨人へ完全に傾いていった。

 「言ったのは見え方が違うということ。バントにいってるでしょ、空振りで顔に当たってもストライク。こちらの概念はそう」と栗山監督。釈然としない思いは試合後も残る。球団としてはNPBへの抗議や検証の要望はしない方針だが、多田野は「だます方もだます方だし、だまされる方もだまされる方」と怒りで顔を紅潮させていた。

 追い詰められた。巨人に大敗し、成績は2勝3敗。日本一を果たすためには2連勝するしかなくなった。舞台は敵地・東京ドーム。風は逆風に変わった。しかし、栗山監督の心は折れていない。

 「まだ、これから。一緒に戦っているファンに何とかいい報告ができるようにしたい」。逆転のチャンスはある。疑惑の判定に泣いたまま、日本シリーズを終わらせる気は毛頭ない。 (川越亮太)

 

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