ラオス一村一品プロジェクト『ODOP』

2012-06-22 11:03:43 テーマ:ブログ

 ラオスへ来てからちょうど1年が経った今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。2011年6月21日。初めてラオスの土を踏んだ(文字通り、土だった)のは、首都ビエンチャン。その後は、第二の都市パクセー。ラオス語レベルでは、1歳児よりは勝っていると確信。小学校1年生よりは劣っていると確信できるから涙目。


 さて、今日はラオスで行われている一村一品パイロットプロジェクト、通称『ODOP(OneDistrictOneProduct)』のお話。


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   ODOPのロゴマーク。        一村一品活動支援の様子。

   ドナーは国際協力機構JICA。   ラオスでは特に機織りが盛ん。

「ラオスの一村一品とは

 日本の50年前に似ているといわれるラオスには、自然の恵み・伝統的手法を使った産品など、希少価値のある資源・素材・伝統工芸がそのままの形で残っております。

 しかし、質の問題・村人の市場へのアクセスの困難な問題・商品の市場ニーズに合ってないデザインの問題などから、産品その物の価値はあまりない状態です。その現状を改善する為、ラオス南部(サバナケット県・サラワン県)の一村一品運動プロジェクト(One District One Product : ODOP)では、タイや日本などからの専門家を呼んでの産品開発の為の技術支援やマーケティング支援・デザイン支援などにより地元の産品に地域の文化を尊重する形で磨きをかけることで、村人の生活水準を向上させることを目指し活動しています。」

 ※「」内は、『ODOPを支援する日本のNGOのページ』引用


 「市場経済化に対応する経済政策を担う人材及び組織の能力向上」を目的に2003年から2005年まで経済政策支援プロジェクト(MAPS)JICAにより実施されましたが、ラオス側から強い要望がなされた結果、このプロジェクトで一村一品運動を取り上げることとなったのです。


 一村一品運動の起源は、日本の大分県での村おこし運動。「ローカルにしてグローバル」のスローガンの元、地元に眠りつつある産品を全国・世界に通じる市場のニーズに沿う形で蘇らせ、その過程で「人材育成」、そしてその結果としての「村おこし」を目的として始まりまった運動です。


 現在、ODOPは本拠地をパクセーに移し、ケース2として活動しています。


 そこに勤める友人が、新商品を開発して試食会をするから食べに来てと誘ってくれたので、おじゃますることに。


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 ナショナルスタッフのシェフ。      ラオス南部産黒米を使った黒米麺。 

 飲食店経験は無し。。。         うどんとそばの中間といった食材。


 今回開発した商品は、パッタイならぬ『パッラオ』。パッタイとは米粉麺を使ったタイの焼きそば。それをラオス地産の食材を使ってラオス風にしようという企画。
 

 使う野菜は勿論のこと、麺までラオス地産。ラオス南部で良く採れる黒米を使った米粉麺です。触感はもちもちとしていて、味や見た目は日本の蕎麦とうどんの中間といったところ。とっても美味しい!ですが、この麺だけの商品化はまだしていないとのこと。残念。


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 卵・もやし・ねぎ・にんにく・キャベツ

 そして秘伝のタレを一気に炒めます。

 

 出来上がったのがこちら。左はパッラオで右がパッタイ。やはり大きな違いは麺。味もコクがあってなかなか美味しいです。

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 パッラオ。黒米米粉麺と秘伝のタレ。  パッタイ。こちらも米粉麺。タイ旅行

 B1GP優勝の富士宮やきそば似。   の際にはご賞味あれ。


 これから2週間、パッラオのお店をチャンパサック南部の観光地で試験運営するそうです。1皿15,000kip(150円相当)で販売予定。1日に100皿の販売を見込んでいる。最低40皿売ることが出来なければ赤字。観光客相手なので、来客数が安定するというメリットがある反面、固定客がつかないというデメリットも。その場限りの勝負。現地での客引き宣伝力が勝敗の鍵。果たしてうまくいくか。


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 『ラオス黒米焼酎』コクがあるのに

 さらさら飲みやすい。本格焼酎。


 もう一品紹介してくれたのが、現在開発中の『ラオス黒米焼酎』。

 好き。  あっ、つい心の声が。

 こちらもラオス黒米を使用。サワンナケート県で蒸留。パクセーでフィルタリングをかけ、日本から輸入したビンに詰めてラベリング。小瓶1本120,000kip(予定価格)と少々高価ですが、味は抜群。ターゲットはラオスの日本贔屓の裕福層または日本人観光客でしょうか。酒好きのお土産には最適。

 ODOPの活動は、ラオス人にとって受動的な享受・支援ではなく、自分たちの生活をかけた能動的な生活向上支援。そのため、村をまるごと救済するような力を持ちながらも、一方で生活そのものを変えてしまう危険性も持ち合わせる。小さな村が相手ならその影響力も計り知れない。


 かつて、90年代にナタデココやパンナコッタが日本で大流行した時には原産地を特需景気に沸かせたが、ブームが去ると生産設備と建設費・維持費などの大きな負債だけを残す結果となった。先進国の流行が途上国に与える影響は非常に大きい。


 継続可能な支援でありつつ自立可能な支援であることが求められる。技術の向上改善文化の補管維持、相反するような際どい面での変化が求められる。様々な難しい課題がある。

 ラオスでは、始めるのは簡単。細かな法令や責任に縛られないから。

 それを継続するのは難しい。補償は無く、需要や供給が安定しないから。

 また、それを広めるとなるとさらに難しい。民族性や伝統への愛着が強く、変化を望まないから。


 友人は、そんな局面での仕事を毎日夜遅くまでしている。ラオス中を駆け回り、村々を巡って、顔と顔を合わせながら本気で村人に近づこうとしている。

 途上国目線の一過性の支援ではなく、現地の目線で生活に根差した愛情深い支援となることを心から願う。

コメント

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1 ■期待したいね

う~ん 一村一品、難しい課題だね。一時期、日本でも騒がれたけど結局競合品が多くて挫折したもの数限りなく多い。
ただし、成功したものも多い。何事も取り組む姿勢の問題だね。頑張ってほしい。

2 ■Re:期待したいね

>TSUNEさん
コメントありがとう。先進国の人が開発するとどうしても先進国向けの商品になってしまう。長く続けるなら、ラオス人向けの商品化が必要。けど、それはハイリスク・ローリターン。本当に難しいね。

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