「浅田真央vs.金妍児」で盛り上がったバンクーバー五輪前だが、ソチ五輪に向けて現在は男子フィギュアが熱い。「今は男子が4回転ジャンプを2つ、3つ跳ぶのは当たり前だからね」。25年以上も前、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の先駆者として名をはせたオーサー氏はそう言って目を丸くした。
■羽生は「super-talented」
チャンに高橋大輔(関大大学院)、五輪3大会連続メダリストのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、小塚崇彦(トヨタ自動車)……。4回転ジャンプを回避する選手の方が多かったバンクーバー五輪とは違い、ソチ五輪でメダルを目指すトップ選手たちは4回転ジャンプを2回以上プログラムに組み込み、ハイレベルでの混戦となっている。羽生もフェルナンデスもそうした輪の中にいる。
羽生について、オーサー氏もデービット氏も「super-talented(超・才能がある)」と口をそろえる。オーサー氏は「素晴らしいジャンパー。そして年齢が若いのは有利」と語り、デービット氏は「体が柔らかくて表現力が豊か」と指摘する。
欠点は「エネルギーが有り余り過ぎて、ミスが出ること」とオーサー氏。銅メダルだった世界選手権でも、フリーでは4回転ジャンプを2度決めたのに、ステップで転んでしまった。「ユズは今、(子供から)若い男性になりつつあるところだから、五輪が楽しみだよ」とオーサー氏。
■世界選手権の3枠を目指し激戦
ただ、世界で戦えるフィギュア選手が1人しかいない韓国やスペインと違い、日本は層が厚いのでそんなに悠長に構えてもいられない。
手始めに12月、高橋、小塚、織田信成(関大大学院)と競い、3枠しかない世界選手権(13年3月、カナダ)出場権をとらないといけない。
オーサー氏は「きちんと(ピークを)合わせないと。ユズはメンタルは強い選手だと思うけれどね」。そう語りながら見せたウインクは自信の表れか、厳しさの暗示か……。
(原真子)
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