この日はデービット氏も訪れ、ポイントごとの感情の出し方を、細かく指導していた。通常、プログラムの振り付けが終わると、選手は年に1~2回手直しを頼む程度だが、ここでは週に1度チェックし、適宜手直ししてくれるのだから、大変ぜいたくな環境といえる。
■オーサー氏らの指導を受け、格段の進歩
07年までプロスケーターとして滑っていたオーサー氏は、コーチとしてのキャリアは浅い。「自分は未熟だし、分からないことは他人の力を借りたほうがいい」と、初めての教え子である金妍児をこのスタイルで指導した。
その金妍児がバンクーバー五輪金メダルという大成功を収めると、次々と選手がオーサー氏の元にやってくるようになった。
スケートカナダで優勝したフェルナンデスは、かつてニコライ・モロゾフ氏に師事していたが、そのころは「時折すごいジャンプを跳ぶ選手」くらいの印象しかなかった。
しかし、オーサー氏らの指導を受けるようになると、昨シーズン、驚くほど「踊れる」選手に変貌し、現在ではジャンプも安定し、表現力も格段に進歩した。
■世界王者のチャンも刺激受ける
スケートカナダでのフェルナンデスの演技を改めて振り返ってみると、フリーで4回転ジャンプを3つもプログラムに組み込み、1つは回転が抜けて3回転になったものの、残りの2つは2種類の4回転を成功。
しかもそのうちの1つは得点が1.1倍になる演技後半に史上初めて成功させた。
今季からオーサー氏に師事している羽生もスケートアメリカではフリーで失敗して2位になったが、SPでは4回転に成功するなど完璧な演技で世界歴代最高の95.07点をたたき出している。
この2人の活躍には、世界王者のチャンも刺激を受けている。「最初はショックだったけれど、僕も頑張れば点を出してもらえるって事だよね」
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