フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ序盤の2試合で、脚光を浴びたのが初戦のスケートアメリカでショートプログラム(SP)世界歴代最高点をマークした羽生結弦(東北高、17)と、第2戦のスケートカナダで世界選手権2連覇中のパトリック・チャン(カナダ)を破って優勝したハビエル・フェルナンデス(スペイン、21)。
この2人の若手を指導しているのが1984年サラエボ、88年カルガリー五輪銀メダリストのブライアン・オーサー氏だ。金妍児(キム・ヨナ、韓国)を2010年バンクーバー五輪金メダルに導いた手腕が、再び注目されている。
■チームプレーで羽生ら指導
カナダのトロント中心部から車で約30分、住宅街の近くにオーサー氏がディレクターを務めるプライベートクラブ「トロント・クリケット・スケーティング&カーリング・クラブ」がある。
ここで、カルガリー五輪アイスダンスの銅メダリスト、トレーシー・ウィルソンさんとともに指導している。ときに振付師のデービット・ウィルソン氏が加わる。
かなり大まかにいえば、フィギュアスケートは(1)ジャンプの技術、(2)スケーティング及び全体的にスムーズに見えるような技術、(3)表現力。この3つがうまくミックスしてこそ、上位にいける。(1)のジャンプ技術と(1)~(3)の全体のコーディネートをオーサー氏が、(2)はトレーシーさんが、(3)はデービット氏のほかダンスの先生らが見ている。
1960年代生まれの3人のチームプレー。お互いがそれぞれの得意分野を指導する。「そこがいいところなんだ」とフェルナンデスはいう。
■スケーターは常に「見られている」ことが重要
1人のコーチではなく、チーム体制で指導するからトップ選手を何人も抱えられ、選手たちは互いに切磋琢磨(せっさたくま)できる。たとえコーチの1人が所用で外れても、別のコーチが練習に付き添えることもポイント。「スケーターは常に『見られている』ということが重要だからね」とオーサー氏。
ある日曜日の練習では、オーサー氏がフェルナンデスのジャンプを見ている間、トレーシーさんが羽生にスピン姿勢に入るときの足の入り、腕の回し方を厳しくチェックしていた。
そして次の瞬間にはトレーシーさんがフェルナンデスを、オーサー氏が羽生を指導。そうした間でも、どちらかがいいジャンプを跳べば、2人から「グレート」「ワーオ」といった称賛の声があがる。2人のコーチとも精力的にリンク上を動き回っているので、練習全体に活気がある。
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