伊那市側への説明を終え、市長応接室を出るJR東海関係者ら=2日午前11時48分、伊那市役所 |
JR東海が検討している上下伊那地方の飯田線有人駅の無人化で、同社は2日午前、飯田市の元善光寺駅と鼎(かなえ)駅、伊那市の伊那北駅と沢渡(さわんど)駅もそれぞれ無人化する方針を両市に伝えた。同地方の有人駅12駅(辰野駅を除く)のうち、同社による無人化の検討対象は1日までに分かった5駅に加え9駅となった。
同社の担当者が各市役所を訪れ、非公開の場で伝えた。両市によると、同社側は乗客人数の減少などを理由に来年4月1日から態勢を変更する―と説明。地元側が人件費などを負担して駅員を維持するか、無人化を受け入れるかの判断も求めたという。伊那市役所で、同社の担当者は取材に「広報部を通してほしい」と述べた。
公務で県外に出張中の牧野光朗飯田市長は2日、「地域住民、利用者への影響に考慮し、関係町村と今後の対応について協議したい。JR東海には飯田線の重要性についてさらなる理解を求めていく」とのコメントを出した。
白鳥孝伊那市長は取材に「地域を挙げて飯田線利活用に取り組んでおり、残念な話」とし、「伊那市だけでなく上伊那全体の話として各首長と相談したい。飯田下伊那の市町村とも話をしていかないといけない」と述べた。
同社は1日までに、伊那松島(上伊那郡箕輪町)、駒ケ根(駒ケ根市)、飯島(同郡飯島町)、伊那大島(下伊那郡松川町)、市田(同郡高森町)の各駅を無人化する方針を地元市町に伝えている。