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2012年11月2日15時37分

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田中文科相、3大学設置認めず 審議会答申覆す

 田中真紀子文部科学相は2日、文科省の大学設置・学校法人審議会が「可」と答申した3大学の開学について、いずれも不認可と決めた。答申が覆された例は、少なくとも過去30年間はないという。田中文科相はこの日、同審議会の在り方を抜本的に見直す方針を示した。

 不認可とされたのは、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大。いずれも来春の開学を目指していた。それぞれ再申請しなければならず、開学は早くても14年度になる。

 同審議会は、大学の学長ら有識者の委員で構成され、学校法人、大学、短大、学部の新設や廃止の妥当性について文科相の諮問を受け、答申する。3大学の申請について、法令に適合しているとして、1日に認める答申を出していた。

 同省の浅田和伸・高等教育企画課長は、不認可について「個別の問題ではなく、大臣の政策的な判断」としている。

 田中文科相は2日午前の閣議後会見で、「どうあることが50年後、100年後のためにいいのか。抜本的に見直したい」と述べた。委員構成の見直しなどを進めるという。

 審議会の委員の大半が大学関係者であることを問題視し、「多様な視点が必要。大学同士だと遠慮があるかもしれない」と指摘した。同省によると、審議会の大学設置分科会の正委員15人のうち、10人は現役の学長や教授らで、大学・短大に所属している。

 田中文科相は、今年4月現在で771校ある国公私立大について「競争が激化していて、質や運営に問題があるところがある」と指摘。また、「事前規制ということではない。イノベーション、改革だ」と説明した。

     ◇

 岡崎女子大の設置準備室は「混乱している。審議会の答申は開学を認めており、大臣の判断は受け入れがたい。今後、緊急の理事会を開いて対応を協議する」と話した。

 秋田市大学設置準備室によると、校舎の新築や増築、改修工事などは全体で約3割まで進んでいたという。

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