東京電力福島第一原発で昨年春にあった事故で被曝(ひばく)した作業員の一人(46)が1日、東京都内で記者会見し、東電グループ会社の関電工が安全対策を十分とっていなかったとして、労働安全衛生法違反で処罰するよう富岡労働基準監督署(福島県いわき市に移転中)に告発したことを明らかにした。東電に再発防止の指導を求める申告もした。
作業員と日本労働弁護団によると、この作業員は昨年3月24日、原発3号機でケーブルを引く作業を6人チームで行った。関電工の2次下請け会社に所属していたが、チームにいた関電工の社員2人から具体的な指示を受けたという。
作業前に「少々線量が高いが支障はない」と説明されたが、汚染水につかった他の3人が180ミリシーベルト前後を被曝。20ミリシーベルトに設定した電子型線量計の警報音がなっていたが、関電工社員は「誤作動もある」などとして作業の継続を指示したという。作業員は水につかって作業するよう求められたが、危険を感じて拒否し、被曝量は11ミリシーベルトだった。