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2人はそれぞれ違う方法で今も続く感情の葛藤を表現する。作業員たちは地元の町や村を守るために負け戦を戦っていたと話した時、吉澤氏は感極まって言葉に詰まった。
そして、こう付け加えた。「けれど、日本社会では多くの人が我々のことを加害者と見ているんです」
そうした見方は特に福島から避難した人の間で強いが、日本全体にも当てはまる。1945年の敗戦後に日本兵が帰還した時も、彼らは同じような負い目を感じていた。
個人の責任感と会社の責任感
福良氏はヒロイズムについて語る気はない。それを言えば、汚辱感についても同じだ。現場の人間のほとんどが東電で働いているため、彼らは自らの責任感を会社のそれと切り離すことができないのだという。
これは称賛に値する日本人の特質のように聞こえるが、必ずしもすべての東電幹部に共有されているわけではない。実際、東電は政府からの圧力を受け、10月になってようやく、福島第一原発で直面していたリスクを実際より軽く見せていたことを認めたのだ。
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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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