宜野湾市の普天間第二小と上大謝名公民館で計測された低周波音と防衛省アセスで示された各種閾値
米軍普天間飛行場に隣接する宜野湾市立普天間第二小の教室内で測定された米軍ヘリの飛行に伴う低周波音の一部が、防衛省が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け作成した環境影響評価(アセスメント)で低周波音の評価の基準とした閾値(いきち)を上回っていたことが琉球大の測定で分かった。教室内での実測は初めて。県が昨年11月、宜野湾市大謝名の屋外で実施した低周波音の測定でも、同様に閾値を超えていた。米海兵隊が今年夏にも県内配備を目指す垂直離着陸輸送機MV22オスプレイからも同様の低周波音が発生するとみられ、住民への影響が懸念される。
琉球大の渡嘉敷健准教授(環境工学・騒音)が4月17日、第二小の教室の窓を閉めて測定した。午後5時38分ごろ、米軍ヘリCH53が飛行し、一部の周波数(20、25各ヘルツ)でそれぞれ90・9、93デシベルを計測。防衛省がアセスで、「物的影響」の基準とした閾値(20ヘルツで80デシベル、25ヘルツで83デシベル)をいずれも大幅に上回った。物的影響は建物や置物のがたつき、振動音をもたらすため不快感が強く、低周波音に関する苦情の中でも特に多いとされる。
「心理的影響」でも、一部周波数(25ヘルツ)で93デシベルに達し、アセスの閾値(88デシベル)を超えた。圧迫感や振動感、頭痛や吐き気などをもたらす可能性がある。
渡嘉敷准教授は「オスプレイの低周波音は、現在普天間飛行場周辺で飛んでいるヘリより大きい可能性がある。低周波音は防音窓でも防ぎにくく、政府は定期的に測定すべきだ」と指摘した。
一方、県は2002年ごろから断続的に宜野湾市内で低周波音を計測。昨年は11月15〜16日の両日、宜野湾市内の上大謝名公民館(屋外)で実施し、初めて周波数ごとの測定値と閾値を比較・分析した。その結果、米軍の中型輸送ヘリCH46が飛行した15日午後1時前、一部周波数(12・5、16各ヘルツ)で95・1、104デシベルを記録し、アセスの物的影響の閾値(75、77各デシベル)を大きく上回った。この周波数で100デシベルを超えると、圧迫感や振動感で「大いに不快」に感じるとされる。心理的影響でも、一部周波数でアセスの閾値を大幅に上回った。
米軍は、低周波音は人により感じ方が異なり客観的な評価が難しいとして独自の調査はしていない。13日に沖縄防衛局を通じて県などに提出した環境審査(レビュー)書でも、防衛省が米軍普天間代替基地建設のために作成したアセスの予測値を引用するにとどめた。
低周波音は普天間飛行場周辺の住民らによる爆音訴訟の福岡高裁那覇支部判決(10年7月)で、心身への健康被害が生じると認定されている。防衛省は普天間飛行場周辺での低周波音について、同訴訟で必要とされた測定は実施したが、それ以外で定期的な計測は行っていない。(大治朋子)
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