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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
さて、そろそろ河本某の生活保護不正受給問題のほとぼりも冷めてきたようなので蒸し返そうと思います(笑)。

管理人は在独外国人(日本で言う在日外国人みたいな立場)としてけっこう長いことドイツに住んでいます。私は国粋主義者でも極右/極左思想の人間でもない、と自分で思っていますが、外から日本を見ているとどうも国際的スタンダードと比較してあまりにも一方に偏りすぎているような印象を受けます。

その一つが件の「生活保護と外国人(某国籍保有者のみ)に対する優遇政策」です。あまり多くを語るつもりはありませんが、例えばドイツで「ある特定の外国人」、第二次大戦時に迷惑をかけた民族としましょうか、にのみ手厚い保護を加えるのは当然である!と主張したらどうなるか?

その主張をした人が一般人であれ、お偉い議員さんであれ、間違いなく(言論で)フルボッコにされることは火を見るより明らかです。フルボッコにされる理由はただ一つ。

「なんて愚かな民族主義者(差別主義者)なんだろう」です。

あれれ?何か日本とまるで逆ですね。日本では手厚く保護しないと「差別主義者」とか言われるのに。私は西洋諸国のものの考え方を国際的スタンダードとして、また日本がそれに追従することが正しいとは全く思いません。が、移民や植民地政策や何よりも外交問題で長い歴史と豊富な経験を持つこれらの国々を「範」とすることは悪いことでは無いと思っています。

少し前置きが長くなりましたが、ドイツの生活保護についてお話しながら日本との差異を考えてみたいと思います。
生活保護と最低賃金

日本の某新聞社の報道(2012年7月)によれば、日本では実に11都道府県で最低賃金で稼げる見込み額が生活保護受給額を下回っている実態があるとのことです。生活保護支給の是非は自治体乃至は業務委託団体が決定しますし、支給額も各自治体で異なるので一概に言えませんが、これでは「働くよりも生活保護を受けていた方がマシ」ということになりますね。

ドイツでも各自治体(Kreis)単位で生活保護の支給是非と支給額を決定するのは日本と同じです。しかし、この業務を外郭団体に委託する、とかいう類の話を聞いたことはありません(まあ全Keisに聞き取り調査をしたわけじゃありませんけど)。少し話は違いますが、例えば国民健康保険(に近い制度)などは逆に民間を含めて完全に業務委託されており、住民は自分の生活スタイルに合わせて契約内容と団体を任意に選ぶことが出来ます。

つまり…

生活保護という最後の砦、セーフティーラインは住民の生命に関わる問題なので行政が責任を持って判断しなければならない。なにやらそんな意思を感じさせます。



不正受給に対する反応

河本某の家族は十数年もの間、不正に生活保護を受給してきました。それに対してこの腐れ芸人は「返納」を申し出ていますが、なんとその額は5,6年分程度という報道があります。こういうことに「時効」が必要なのかどうかは議論を待たないのではないかと個人的には思います。

貧困者を救う、という行為はキリスト教圏では崇高な態度として尊敬を集めます。ミレーの「落ち穂拾い」の絵画はそれをモチーフにしています。貧困者が荷馬車から落ちた落ち穂を拾う行為は混沌が支配した中世でも黙認されていたといいます。生活保護は本当に保護を受ける必要がある人に与えられるべき、という考えをドイツ人はしていますから、彼らにとって不正受給はあり得ない行為、というか悪逆非道と糾弾されてもおかしくない行為です。私はこの件で片山さつき某議員の指摘はもっともなことだと思いますし、一体、何が問題なのか、ドイツの事例に当てはめても芸人達が批難する道理と論理が全く理解できません。
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話を元に戻すとドイツでは不正受給者は容赦なく司法機関に告発されて相応の罰則を受けることになります。不正受給額を下回る弁済などでお茶を濁すということはありえません。日本の行政が告発すらしないというのはもう正気の沙汰とは思えません。これは仮の話ですが、不正受給をしたのが私のような外国人であれば即刻、国外退去処分をクラって再入国はほぼ絶望的になります。

こんな当然のことが「差別」と言われるならドイツを始めとするほかの先進国は「ジェノサイト国家」とでも言われるんでしょうかね(笑)





生活保護支給額

ドイツでは各Kreisによってまちまちですが一例を引くと、家賃全額+300-500EURを月額で支給されます。恐らくこのパターンがほぼドイツでは平均的ではなかろうかと思います。これに加えて就学児童のための手当て(ドイツ版子供手当ては納税者なら等しくもらえる)があるので生活がそれなりに出来ます。足りない部分は自分が「労働」によって稼げ、というわけです。法律やルールに非常に厳しいドイツ人に「これじゃ足りん!」「過去の過ちを清算しろ!」とか色んなことを言ってもガン無視です。暴れればむしろ速攻で通報されて逮捕され、粗暴な行いがあれば程度に応じて下手をすれば外国人なら追放処分になります。ゴネればどうにかという態度は通用しないし、まして全うな職員が酷い目にあっても警察が動かない、なんてことは絶対にないわけです。同じ行政機関でありながら警察と役所が連携せずにちぐはぐになることが多い日本の行政システムは正直、頭がおかしいんじゃないかと思います。

家賃全額と言っても現金ではなく、行政から家主に直接支払われるので滞納して懐に収める手合いがいないというのも非常にスマートな制度だと思います。前にも触れましたがドイツでは賃貸契約者がないと住民登録やネット回線を始めとした各種の契約すら出来ません。自治体は実際に交わされた賃貸契約書を元に支給額を決定します。生活保護者が超豪華マンションと契約することは出来ません(家賃補助の上限が規定されているため)。

これとは別に生活費300-500EUR支給というのもスマート且つリーズナブルです。生活保護はあくまで「最後の砦」であるため、食費を賄うということを目的にしています。寿司が食えないとかスマホがもてないとか車が買えないとかいう不満をドイツ人が聞いたら卒倒することでしょう。社会全体が自分の意思で「働かない人」に対して非常にネガティブに受け止めているからです。ヨーロッパでは他人の言動に深く干渉しませんが誰もが「働かない」という態度に疑問を持ちます。国際結婚でたまに破局の原因になるのがまさにこれです。欧州の若者はパートナーにも「働いて稼ぐ」ことを当然のように要求します。そして「無職」状態が長引くとそのまま破局することも珍しいことではないんですね。この割りとドライな感覚にショックを受ける日本女性もたまにいるようですが。注意しておきますけどこれは「専業主婦」というスタイルが受け入れられないのでは全くありません。「専業主婦」はむしろ至高なのです。「専業主婦」はそういう「選択」が許されるほど「裕福」なんだと見なされる、ということです。当然、「裕福」じゃない人が「専業主婦」を選べる道理がありません。つまりはそういうことです。

働かないで済む…そんなレベルの生活保護というのは全く本末転倒、これが国際社会における標準的な考え方じゃないでしょうか。



在独外国人事情

排他主義が台頭しているわけではありませんが、ドイツに限らず欧州全体で保護主義に傾きつつあることは確かです。移民政策というのは「人道的」に行われるべきものではなく、あくまで「経済・国益」的に行われるべき。これが欧州諸国が行き着いた移民に対する最終的な見解だと思います。

ドイツでは第二次大戦後、働き手を多く失っていたため「労働力確保」の観点で外国、特にトルコから移民を大量に受け入れた経緯があります。人口比にして実にトルコ系移民は7%前後を占めるとも言われています(余談ながらトルコは第一次世界大戦当時からドイツと長らく同盟関係にあった親独国家で敵性国家ではない)。しかし、現在ではトルコに限らず移民の受け入れはかなり厳しくなってきています。

ドイツでは税金及び年金を最低17年収めれば「受給資格」が生まれます。日本の某民族が年金を支払ってもいないのに「受給資格」を求めて訴訟を起こしていました(最近、敗訴確定)が、こういう態度はドイツではまず国民の反感を買ってマスコミも大きく否定的に報道されることは確実です。そんな当たり前のジャーナリズムすら働かない国というのはどこか狂っているように感じます。

重要なことは「不正」を働いた外国人は過失度合いに応じて制裁を受けるということです。これは非常に大きな法的抑止力になります。好き勝手をしておいて都合が悪くなればプイっと祖国に帰る、を繰り返せるようなシステムは受入国のみならず、入国希望者にとっても長い目で見てマイナスです。

当たり前のことを当たり前にこなす。これが唯一にして絶対の「友愛」の道だとは思いませんか?



管理人は河本某を始めとする生活保護問題を聞いて非常に残念な思いで一杯です。このまま風化させるのでもなく、行政機関自身もきちんと「当たり前」のことを果たす、ということを願いつつ、

腹が立つから蒸し返したったったwwwwww


文責:東郷太一
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