ベルルスコーニ氏=AFP時事 |
【ローマ=石田博士】イタリアのベルルスコーニ前首相(76)が所有する企業「メディアセット」の巨額税金詐欺事件で、ミラノ地裁は26日、前首相に対して禁錮4年と公職追放5年の判決を言い渡した。また他の被告と連帯して1千万ユーロ(約10億円)を供託することも命じた。
求刑は禁錮3年8カ月だった。前首相側は控訴する方針で、収監はされない。だが24日に「次の総選挙で首相を目指さない」と表明したこととあわせ、ベルルスコーニ氏の影響力の衰えは必至とみられる。
ロイター通信などによると、地裁判決は730万ユーロ(約7億3千万円)の脱税について前首相の責任を認め、「犯罪について天賦の才がある」とも記した。前首相はこの判決に、「政治的なもので信じられない。許されない」と激高。「イタリアは民主主義がなく、いまだ野蛮な未開の国であることを示した」と強く批判し、無罪を主張した。
ベルルスコーニ氏は汚職や未成年買春など20件以上の事件で起訴されたり捜査対象となったりしてきた。地元メディアによると、1990年代に3度、一審で有罪判決を受けているが、いずれも上級審で取り消されたり、時効を迎えたりしているという。