維新:初の代表質問 松野氏、特例公債に賛成明言
毎日新聞 2012年11月01日 22時04分(最終更新 11月02日 00時47分)
橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会が1日の衆院本会議で初の国会論戦に臨んだ。野田佳彦首相の所信表明演説に対する代表質問に立った松野頼久国会議員団代表は、赤字国債の発行に必要な特例公債法案について「法案を人質に取って政局にし、衆院解散に追い込もうとするやり方は採らない」と賛成する方針を明言。同法案の成立に協力する条件として年内解散を迫る自民、公明両党と一線を画し、既成政党に代わる「第三極」の独自姿勢をアピールした。【影山哲也、茶谷亮】
◇既成政党との違い強調
「都道府県はじめ国民生活に悪影響が出始めていることは大変な問題だ。一刻も早く成立させ、国民に迷惑がかかる状態をなくしてほしい」
松野氏は与野党の駆け引きで特例公債法案が成立していない国会の現状を批判し、「『決められる国会』の実現に努力していく」と既成政党との違いを強調した。
民主党席から大きな拍手が起こり、自民党席からは「与党の補完勢力か」とのヤジが飛んだ。
古巣の民主党に対しても「民主党政権はなぜ失敗したのか。既得権を擁護する勢力や官僚機構を抑え込む迫力に欠けていたためだ」と厳しい批判をぶつけたうえで、自民党も「官僚組織と寄り添ってきた。改革はできない」と切り捨てた。鳩山内閣の官房副長官として政権中枢を担った松野氏のこうした言動への反発が与党側にも広がった。
松野氏は事前に大阪市の維新本部に「(賛成を)表明します」とメールとテレビ会議で伝え、橋下氏も「いい原稿です。頑張って」と後押しした。答弁した野田首相は「感謝申し上げます」と頭を下げた。
松野氏は質問後、記者団に「私たちは与野党関係なく国民に『なるほど』と言われる国会運営をする」と強調。橋下氏も大阪市役所での記者会見で「知事や市長は(政府・与党への陳情を)10分聞いてもらえば成果だったが、国会論戦にダイレクトに声が届いて地方分権は進む。ここまでやってきて良かった」と自負をのぞかせた。
ただ、維新と政策協議を開始したみんなの党の渡辺喜美代表は代表質問で特例公債法案について「財務省の敷いたレールの上で(民主党と自公両党が)チキンレースを展開している」と指摘し、反対の立場を強調。第三極連携の難しさも改めて露呈した。