'12/10/31
広島高速5号計画で対話集会
地盤沈下の懸念から反対運動が起きている広島市東区の広島高速5号二葉山トンネルの建設計画で、松井一実市長と地元住民との初の対話集会が30日、東区民文化センターであった。松井市長は「安全性と利便性を調和させる」と述べ、事業を進める場合でも安全対策に配慮する考えを強調した。
住民側は、中山地区連合町内会▽二葉山トンネルを考える市民連絡協議会▽牛田東3丁目の会▽牛田東1丁目町内会▽高速5号線トンネル対策協議会▽尾長地区連合町内会―の6団体各3人の計18人が出席した。
計画に反対する団体の代表者は「地盤沈下が起きても被害者は泣き寝入りするだけだ」「安全性と利便性は異質で、バランスは取れない」などと主張。推進を求める団体側は「5号建設は東区の発展の基盤になる」「周辺の整備も同時に進めて暮らしやすい町にしてほしい」と訴えた。
松井市長は「事業をやるとしたら沈下が起こることがないよう目指したい」と安全確保に全力を尽くす考えを示した。終了後の会見で「関係者の主張は私なりに整理できた」と成果を強調した。
トンネル建設計画をめぐっては8月、有識者でつくる検討委員会が工事の安全性を大筋で認める報告書をまとめた。高速5号の事業主体は広島県と市が共同出資する広島高速道路公社(中区)。松井市長は湯崎英彦知事と協議の上、年内にも事業の是非を判断する方針でいる。