呉市が本年度、観光振興を目的に計画している豊町御手洗地区の整備事業のうち、私有地への駐車場整備が未着工になっている。当初考えていたほど需要の伸びが認められず、様子見をしている。

　計画では、市営の御手洗かもの駐車場（約１３１１平方メートル）の北約３００メートルにある約５００平方メートルを無償で借りて舗装、トイレも設置する。当初予算に約３千万円を計上した。

　御手洗地区はアニメ映画「ももへの手紙」の舞台の一つで、市は観光客が増えるとみていた。だがゴールデンウイークを除いて既存の駐車場が満車になることはなく、秋の行楽シーズン中にあらためて必要性を調査する。

　一方で市は今月、地区の入り口にある観光バス乗降場に無料駐車場を５台分整備した。当初は計画していなかったが、道路を挟んだ反対側につくる休憩所（観光案内所）の利用者が便利になると判断したという。

　市観光振興課の神垣進課長は「行楽シーズンの利用状況に加え、地元の要望を踏まえて検討する」としている。

【写真説明】市が観光バス乗降場に新たに設けた駐車場