'12/10/31
野犬の苦情が急増 尾道
尾道市に寄せられる野犬の苦情が急増している。2012年度は既に56件(29日現在)で、11年度の49件を超えた。観光客が威嚇されたり、小学生が追いかけられたりする事例も発生。市はホームページ(HP)や広報誌などを通じて犬を捨てないことや、餌を与えないよう求めている。
苦情件数は、記録している09年度以降最多だった10年度の64件を上回るペースで推移している。野犬が目立つのは浦崎町付近と向東町付近という。
さらに観光名所千光寺公園周辺では、観光バス専用駐車場に10匹前後の群れが確認されている。ほえられた観光客も少なくないという。市環境政策課は「公園には幾つかの群れがあり、数十匹以上はいるのでは」とみる。
向東小(向東町)では、1学期に登校中の児童2人が野犬に追いかけられ、転倒してけがをした。同小は「夏場の朝には運動場に十数匹が寝ていた。保護者も心配している」と不安を隠さない。
市は餌を与えている人を特定して直接指導したり、野犬の保護おりを貸し出したりする対策に乗り出している。野犬を増やさないよう今月下旬からHPで譲渡方法を案内。広報誌11月号には、餌を与えないよう注意する文書も載せる。
同課の島谷豊幸課長は「理解を得られるよう引き続き何度でも呼び掛けていく」と話している。
【写真説明】千光寺公園そばの観光バス専用駐車場で群れをつくる野犬