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'12/10/30

肖像画作者は原撫松 尾道



 創立120周年を迎えた尾道商工会議所(創立時は尾道商業会議所)の発起人、天野嘉四郎(1835〜1901年)を描いた尾道市所蔵の肖像画の作者が岡山市出身の洋画家原撫松(1866〜1912年)であることが29日、分かった。原が本名の熊太郎を名乗っていた時代の作という。

 原は明治期、日本を代表する肖像画家。伊藤博文、岩崎弥太郎たちを描いたことでも知られる。

 天野は尾道市を代表する経済人で14人からなる商議所設立発起人の1人。肖像画(縦53・0センチ、横39・5センチ)は2005年4月、おのみち歴史博物館のオープンを記念して天野家から寄贈された。描写力に優れた作品ながら、これまで作者が不明だった。

 今月初旬、倉敷市立美術館の前田興学芸員(55)が歴史博物館を訪問。同美術館が11月2日から開く日本近代洋画の展覧会を前に別の絵を調査していたところ、偶然発見した。右下の「K.HARA」の署名を照らし合わせたところ筆跡が一致したという。急きょ、展覧会への出展も決まった。

 前田学芸員によると、明治20年代前半の制作という。「20歳代前半の作であり、若いころから技量が優れていたことがうかがえる」と話す。

【写真説明】作者が判明した尾道市所蔵の「天野嘉四郎像」




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