'12/10/30
ヌートリアの生息域拡大 呉
農作物を食い荒らすヌートリアの生息域が呉市で広がっている。昨年度も11匹捕獲したが、いずれも市の北部だった。本年度は南部や島にも現れている。市は有害鳥獣に加え、4月以降、4地区に箱わなを設置。半年で21匹を捕獲した。
ヌートリアは南米原産で、外観はネズミに似ている。尾を含めた体長は約90センチ。毛皮を取るため養殖していたものが野生化した。河川など水辺に生息し、稲や野菜を食べる。
呉市では昨年度、郷原や押込地区で目撃情報が寄せられるようになった。田畑の被害を懸念し、市は年度末に約6万円で箱わなを四つ購入。両地区や東広島市と接する安浦、黒瀬川下流にある阿賀の計4地区の川や水田の近くに置いた。
その結果、4月から10月上旬にかけ、安浦で10匹、郷原で8匹、押込で1匹、阿賀で1匹を捕獲。わなを仕掛けていなかった音戸町でも、1匹捕獲した。
東広島市では、2008年度から被害が増え始め、昨年度は159匹捕獲した。呉市は市内の目撃情報が東広島市と隣接する地域に多いことから、黒瀬川などを伝って生息域を広げてきたと推測。音戸町には、大雨で川から海に流され、たどり着いたとみている。
【写真説明】呉市内で生息域を広げているヌートリア