特集:「中国 王朝の至宝」展 松本健一さんと高樹のぶ子さんが見どころ語る
毎日新聞 2012年11月01日 東京朝刊
高樹さん 会場を回って、いろいろ発見がありました。歴代の王朝は平和を保つために、ものすごいエネルギーを使っていたと感じます。今の為政者にも、庶民のパワーが怖いというDNAがあるのではないでしょうか。
松本さん 現代まで残された展示物を見ているだけでも、大帝国にしか果たし得ないことがよく分かります。孔子や孟子の思想は、全世界が学ぶべきことだと思う。中国もそうした遺産を生かし、もう一度中国人が中国を発見してほしい。
日本の学者や財界人も、中国には民主主義がないと批判しますが、孟子を読むと、民を「貴し」とし、国家がそれに次ぎ、君を「軽し」としています。大切なのは民で、その民に信頼されて、皇帝は皇帝になる。現代は共産党独裁といわれているけれど、民が信用しなくなると、その瞬間にアウトなんです。
高樹さん 暴動、革命があると、あっという間に政権が倒れますね。
松本さん 「突目仮面」が面白いのも、あの時代、人間ではない存在が皇帝になっているからです。その後は、天命が皇帝を代えていく。自分で革命を起こして権力を握れば、その瞬間から皇帝の姓が変わるんです。
高樹さん 時代ごとの対立軸を作っているのが、この展覧会の面白さだと思います。南と北の違いとか、金と青銅とか、強権的な支配と内面からの呪縛など……。四千年を俯瞰(ふかん)するには、とてもいい方法ですね。
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◇東京国立博物館で来月24日まで
中国最古の夏(か)から、近代の幕を開けた宋(そう)まで、歴代王朝にまつわる168の文物を展示。その約6割は中国で国宝にあたる「一級文物」です。
<会期>
12月24日まで。最終日を除く月曜休館。入館は9時半〜16時半。金曜は19時半まで。
<会場>
東京国立博物館(東京都台東区上野公園)
<入館料>
一般1500(1200)円、大学生1200(900)円、高校生700(400)円。かっこ内は20人以上の団体料金。
<問い合わせ>
ハローダイヤル(03・5777・8600)。公式サイトはhttp://www.china−ocho.jp/
<主催>
毎日新聞社、東京国立博物館、中国文物交流中心、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
<後援>
外務省、中国国家文物局、中国大使館
<協賛>
信越化学工業、大日本印刷、三井住友海上
<協力>
全日本空輸、東京中国文化センター
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■人物略歴