8月16日は、京都の「大文字五山送り火」の日。
今年はどうやって見ようかと思いつつ、
やはりぐるりと行って来ようということになって。
研究活動の一つ、原稿の締切もあるのだけど、今日はちょっとお休みに。
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8月16日の夜8時に、大文字五山の中で一番有名な「如意ヶ嶽」の「大文字」が点灯。そして、次々と、「妙・法」、「船形」、大文字よりも小さめの「左大文字」、「鳥居形」。
送り火の由来はさまざまだけど、お盆の翌日に、精霊たちが極楽浄土へお帰りになるのをお見送りする、という認識が一般的。
仏教という宗教的な行事ではあるけれど、私にとっては、京都は由来のある場所。東本願寺には祖父が眠り、知恩院には祖母方の先祖が代々眠っているの。
私は宗派を越えて、さらには、宗教というものを越えて、代々のご先祖様をお見送りする日。
観光客で賑わう(お祭りと思っているみたいに騒いでいるけど)中、車中から送り火を眺めて、そして静かにご先祖様たちの精霊をお見送りする…。
祇園祭の月、7月1日から「京都の夏の始まり」を感じ、この送り火で「京都の夏の終わり」を肌で感じる。
幼少の時、祖父が亡くなって、東本願寺(お東さん)に納骨に来たの。それでひととおりの儀式を終えて、家族や親族と同じく、京都にかかわってゆくことを感じたわ。
あの日…紺地のジョーゼットでできたワンピースに白いレースの衿、髪にはベルベットのリボン、脚は白いタイツ、そして黒い靴。
その写真が今でもある。
祖父を亡くして、喪に服するということを経験した3歳の時。
あれから何年経っただろう。
優しかった祖父。大好きだった祖父。今でもずっと見守られていると感じる。
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おじいちゃん、ご先祖さま、そして、昨年知恩院に納骨された大叔父。
どうぞご無事で極楽浄土にお帰りください。
そして、またいつまでもお守りくださいませ。
Joaillerie