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国際
中国各地を荒らし回った「投機集団」も姿無く 輝きを失った“温州モデル”
浙江省・温州の銀行の不良債権率は昨年8月末には0.37%に過ぎなかったが、今年6月末には全国平均を大きく上回る3%にまで跳ね上がってしまった。温州は民間企業の活躍で中国経済発展のリード役を務め、その発展方式は「温州モデル」とまで言われてきた。ところがこの不良債権率の数字に象徴されるように、一昨年秋以降の金融引き締めの中ですっかり輝きを失ってしまった。(フジサンケイビジネスアイ)
「温州モデル」の特徴は2つあった。1つは民間企業、とりわけ中小規模の民間企業が数多く存在し、発展の中心となってきたこと。2つ目は、資金源を銀行に頼らず、民間金融(地下金融と言ってもよい)に頼ってきたことである。
だが、金融引き締めに加え、昨年来の欧州経済危機などによって輸出が打撃を受け、民間企業の経営が極度に悪化してしまった。昨年秋には資金繰りに行き詰まった企業経営者の夜逃げ事件が続出したほどだった。温州には約4000社の靴メーカーがあったが、いまや3000社にまで減ってしまったという。
ある銀行の推計によると、温州の民間金融の規模は約1100億元(約1兆4100億円)。9割近い家庭・個人や約6割の企業がこの資金を利用しているという。
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