野田首相、経済対策取りまとめ指示 野党は解散先延ばしと批判
野田首相は17日夕方、臨時閣議を開き、景気の下押しリスクに対応するとして、新たな経済対策を11月中に取りまとめるよう指示した。「近いうち解散」を約束しながらの野田首相の新たな一手に、野党からは、解散先延ばしだとの批判が噴出した。
藤村 修官房長官は「デフレからの早期脱却と、経済活性化に向けた取り組みの加速が必要。そういう認識のもとでの指示であった」と述べた。
月例経済報告で、景気判断が3カ月連続で下方修正されていることなどを受け、野田首相は臨時閣議を開き、新たな経済対策を11月中に取りまとめるよう指示した。
新経済対策では、政府の成長戦略、日本再生戦略で掲げた施策の前倒しや、東日本大震災からの復興と防災対策などを重点に置く。
さらに、緊急性の高い政策については、2012年度予算の予備費を使用し、月内実施の検討も指示したという。
各省庁は、10月19日までに事業の申請を行う。
城島光力財務相は「速やかに経済予備費を使用する必要があると認められれば、臨時国会前に使用を閣議決定することも、十分にあり得ると考えている」と述べた。
経済対策の財源となる予備費は、経済危機や地域活性化のために用意した9,100億円から活用する方向。
緊急経済対策は、補正予算で実施されることが多いが、成立の見通しが立たない。
そこで野田首相は、国会の議決が必要のない、予備費の活用を検討しているのか。
自民党の石破 茂幹事長は「予備費を使うやり方が、本当に正しいのかどうか。本来、経済対策は補正予算等々の形で、きちんと組まれてしかるべきものではないか」と述べた。
年内解散を求める自民党。
自民党の高村正彦副総裁は「経済対策というよりも、解散先延ばし対策ではないか。あまり小細工を弄(ろう)さないで、早く解散・総選挙をやってもらいたい」と述べた。
自民党の安倍晋三総裁は「『年内の解散』、『近いうちに』という中においては、常識だろうと思う」と述べた。
野田首相の言う「近いうち」は、いつ訪れるのか。
民主党幹部は「経済対策をやったからといって、解散先送りにはつながらない」と述べた。
野党幹部は「選挙対策だろう。むしろ選挙は近いと思う」と述べた。