キャリアについて考えてみたのでメモ。
「会社が目指すこと」と「自分が目指すこと」はズレていく
会社が目指すゴールと、個人として目指すゴールって、徐々にズレていく傾向があると思うんですよね。
例えば入社した時点ではこんな形だったとします。「アジアNo.1の貿易企業を目指す」会社に、「発展途上国でビジネスを行いたい」と考える人が入社する、というケースです。この場合は「会社が目指すこと」の中に、「自分が目指すこと」がすっぽり入る状態なので、モチベーション高く働くことができます。
ですが、就職して数年経ち、新しくやりたいことが生まれてくることも往々にしてあります。例えば「発展途上国の教育を支えたい!」という目標が出てきたとします。
すると、この目標は会社のゴール(「アジアNo.1の貿易企業を目指す」)とはちょっとズレてくるわけですね。解釈の仕方によっては包含することもできますが、場合によっては「教育支援なんて金にならないことはできない」と会社から切り捨てられることもあります。
こういうミスマッチは何だか不幸な気がしますが、働く上ではごく自然なことだと思います。人間誰しも、やりたいことは変わっていくものです。会社のミッションと自分のミッションが100%に合致する方がレアケースです。
この場合、うまく自分を納得させられないようなら、所属する組織を変えるか、自分で事業を興した方が人生ハッピーになると僕は思います。
もちろん、生涯にわたって「会社が目指すこと」と「自分が目指すこと」を一致させられたら、それは本当に素敵なことです。経営に近ければ近いほど、これは達成しやすいのかも。
一方で恐ろしいのは「スキルを付けるため」「いつか独立するため」などの理由で自分のゴールを曖昧にした結果、本当にやりたいことが分からなくなってしまうことです。問題意識を失ってしまう、とも言えるでしょう。
もっとも多いのは、「そもそも会社が何をしたいのか分からない」というケースかもしれません。会社のミッションステートメントが、完全にお題目になっている状態ですね。
こうなると、そこで働く人はやりがいを感じにくくなります。この目的意識・問題意識の不在は、日本の病だとすら思います。
「みなさんの会社は、皆さん自身は、何を目指して仕事をしていますか?」
この問いに納得できる答えを用意できないなら、自分のキャリアを見つめ直すタイミングだと僕は思います。
年末にかけて同世代に向けたキャリア本を書く予定なのでこんなことを考えてみました。ビジョンをもって働くことって、すごく大切だと思うのです。
関連書籍。働き方本では今年のベスト。ワークシフトを超える一冊を書けるよう頑張ります。