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記事 野田内閣

存在の耐えられない薄さで政権の足を引っ張る補佐官

週刊文春

2012年10月31日 12:00

 支持率の低迷する野田政権。本来なら総理を体を張って支えるべき首相補佐官の評判がよくない。

 10月の内閣改造で首相補佐官は5人中4人が交代した。ただ1人続投する寺田学衆院議員は岡田克也副総理直属の事実上「副総理補佐官」で、野田首相を支える補佐官は総取り替えという思い切った人事だった。

 新たに起用されたのは、いずれも当選2回の大串博志(佐賀2区)、北神圭朗(京都4区)、三谷光男(広島5区)の衆院議員3氏と川上義博参院議員(鳥取選挙区)。輿石東幹事長とのパイプ役を期待する川上氏は別にして、大串、北神両氏は元財務官僚、三谷氏は前財務政務官という首相好みの財務省トリオ。だが、民主党の国対幹部は手厳しい評価を口にする。

「官邸にこもってお勉強しているのか、国対の打ち合わせにもほとんど顔を出さないで、官邸の机に座っている。いま大切なのは、これ以上離党者を出さずに臨時国会を乗り切ること。官房機密費を使って造反予備軍を懐柔するとか、やるべきことはいろいろあるだろうに何もしていない」

 改造前の補佐官で良くも悪くも存在感があったのは当選3回の手塚仁雄、長島昭久両氏。野田首相の最側近として知られる手塚氏は首相執務室の隣室に陣取り、日程調整やメディア対応を取り仕切った。外交・安全保障担当の長島氏は独自の米国人脈を生かして対米交渉に関与し、外務、防衛両省から「二元外交になる」と煙たがられた。

 補佐官一新に踏み切ったのは、後見役の藤井裕久元財務相から「内閣と党の結束の支障になっている」とかねて交代を勧められていたのに加え、改造直前に「手塚氏が幹事長更迭論を吹聴している」との情報が輿石氏の耳に入り「官邸周辺にピーコピーコ騒いでいるのがいるようだ。何とかした方がいい」と手塚氏切りを迫られたからだといわれる。

 補佐官にはそれぞれ「広報担当」「拉致問題担当」など特命が与えられるのが通例だが、今回は北神、大串両氏が「重要政策に関する省庁間調整等担当」、三谷、川上両氏が「政治主導による政策運営・国会対策担当」と明確な役割分担はない。

 そもそも今回の改造内閣は、民主党最後の改造と見られ、野田首相と親しい議員が役職につき、“思い出作り内閣”と言われる。首相補佐官をお飾りのような存在にしておく余裕はないはずなのだが……。

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