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2012年10月31日(水)付

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 秋色深まる首都東京で、威勢のいい言葉が宙を飛ぶ。スカッとしたい。そんな気分の高まりは、こと政治においてはやはり危うい。天気図の曲線に季節風を思う10月の言葉から▼民主主義を問う声が高い。最大格差5倍の参院選は違憲状態だと最高裁が判じた。原告側の弁護士伊藤真さんは「住む場所によって『あなたは0.2人前の価値しかない』となれば、ふざけるなと思いませんか」▼オスプレイが配備された沖縄で作家の目取真俊(めどるま・しゅん)さんが言う。「知事や全市町村長が反対してもダメ。座り込んでもダメ。沖縄はできることをしてきたが全く無視されている。沖縄に関して、日本の民主主義は機能しないのです」。復帰40年。本土による、本土のための民主主義への憤りは深い▼大阪で古書店を営む坂本健一さん(89)が、入院していた亡妻への絵手紙などを本にした。「お前のように 無私無心になったことのない私だけど お前の清澄さが灯台だった 今もそうだ」「妻和美、てい主健一 65年の古本屋」▼山形県に住む100歳の劇作家山崎誠助さんは劇団も主宰し、震災復興にエールを込めた新作を来月の舞台で披露する。「命に限りはあっても、人の心や魂は『永遠』を刻むのではないか」▼76歳で突然逝った反骨の映画監督、若松孝二さんが語っていた。「どこの国だって若者は変革の原動力だよ。暑苦しいぐらい本気になって、挫折するものなんだ、若者は」。世代によらず、お任せ意識を叱る声が、耳に響いてくる。

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