"One or more music publishing rights collecting societies"というペテン集団
ここのところ故あって、過去に所属していた音楽サークルの演奏をせっせとYouTubeにアップするという作業を行っているのだが、どうにもよくわからない事態に巻き込まれ始めたわけである。
国内のオリジナル曲の場合はまず問題ないのだが、外国の管弦楽からの編曲ものをアップした途端に、
「第3者のコンテンツと一致しました。」
という著作権侵害の訴えが行われるのだ。
演奏しているのは間違いなく自分(正確には「自分たち」)だし、著作権の保護期間は訴訟大国アメリカにおいても死後70年なので、18世紀の大作曲家の作品を演奏したとして何が問題になろう?(演奏の出来は別の問題だぞ)
面倒くさいからそのままスルーしていたのだが、いや、これスルーしておいてはいけなかったのである。訴えに対しノーアクションということは、自らの非を認めたも同然だから・・・?いや、そういうことではないのだ。
そもそも訴えをしてきた集団のあり方が問題だったのである。
数曲アップして複数の団体から著作権侵害の訴えがあったのだが(そもそも、一つのコンテンツに対し複数の権利者から訴えられること自体がおかしい!)、その中に必ずある名称が、
One or more music publishing rights collecting societies
という組織。しかし、この団体の存在そのものが妙にアヤシイ。Webで検索をかけてもHPすら見つからない。代わりに、詐欺だ、インチキだと悪評のオンパレード。
いったい、どういうことかと思っていたが、ようやくその仕組みがわかってきた。
訴えが行われた途端に、その動画には自動的に広告が表示されるようになる。そしてその広告表示による収益(の一部?)は、訴えた組織に支払われるというのである。結局のところ、根拠のない因縁をつけて稼ごうという詐欺集団とみてまず間違いないというわけだ。
しかし、問題はこれだけではない。
どういう仕組みでコンテンツの判断をしているのか気になったので、何回か実験をしてみた。最初は、アップロードするときのタイトルや説明の項目、あるいはファイル名そのものを参照しているのかと思い、ファイル名を変更してみたり、まったく意味の無いタイトル(例えば、123456)をつけてアップロードしてみたのだが、それでもやはり同一の曲に対する訴えが行われる。
ということは、音源そのものを解析して曲名を判断していることは間違いない。もっとも、この程度のことなら真賀田博士(@森博嗣)の頭脳を借りずとも、現在の技術で十分対応可能なのだろう。
問題は、曲をアップロードしてわずか1分も経たずに訴えが行われることである。しかも、この段階では再生回数ゼロのままなのだ。
つまり、アップロードした曲を誰かがチェックした後に訴えを行っているというわけではなく、YouTubeにアップロードしている間に「同時に」曲の解析が行われており、その情報が別の組織に流されているということになる。これがすべて(人の手を借りず)システム上で処理されていることはまず間違いない。
であるならば、One or more music publishing rights collecting societiesやそれに近い胡散臭い団体は、YouTubeひいてはGoogleと相当に結びつきの強い組織であると判断せざるを得ないわけだ。
だいたい、「限定公開」でアップロードしたばかりの時点では、YouTubeと自分以外にこの世の誰もそのURLを知ることは不可能である。その段階で訴えが行われたのならば、これはもうYouTubeそのものが訴えていることと同値なのである。
さて、そんなわけで、訴えられた状態をそのままにしておいてはいけない。少々面倒くさいことではあるが(腹もたつし・・・)、キッチリと異議申し立てを行うべきなのである。
「動画の管理」のページから「第3者のコンテンツと一致しました。」をクリックすると、「あなたの動画には、次のような著作権で保護されているコンテンツが含まれている可能性があります」という説明のあるページにとぶ。
中央に「同意します」というわかりやすいボタンがあるが、これを押してはいけない!
一番下に(←なんで一番下やねん!)、「この著作権侵害の申し立ては有効でないと考えています。」という部分があるのでここをクリック。
次のページで、著作権侵害の申し立てが有効でない理由を選択肢のなかから選ぶ。(僕は「この動画は私のオリジナル コンテンツで、私がすべての権利を所有しています。」を選んだ。)
さらに次のページでは、「この動画に含まれるすべての音声および映像コンテンツに対するすべての権利を有しており、この申し立てに対して異議を申し立てます。」にチェックをつけて、進む。
次のページで最後。異議申し立ての理由を簡単に記述する必要があるが、この部分、僕は
One or more music publishing rights collecting societies is a scam.
とだけ書いた。
あとは、その下の文章にチェックをつけ、一番下に署名(名前を記入)して、「進む」で終わり。早いときにはこの後、1分以内に著作権侵害の申し立てが取り下げられる。これもシステム上で処理されているということなのだろう。いかに胡散臭いシステムかがわかろうというものだ。
「著作権監視ボット」の行き過ぎ対策:YouTubeがシステムを一部修正
http://pc.nikkeibp.co.jp/[…]/?f=news&rt=nocnt
【以下引用】
グーグル傘下のYouTubeは米国時間3日、実体のない著作権侵害の申し立てや、監視システムの誤った判断により、動画の配信が停止されるケースを減らすため、同サイトで導入している著作権監視システムのアルゴリズムに改良を加えていることを明らかにした。今後は、著作権侵害が指摘された映像については、人間の目で確認できるようにするという。