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» 2012年10月31日 09時38分 UPDATE

「最も悲しいのは息子の無実を疑ってしまったこと」 なりすまし事件、大学生の父親がコメント

「最も悲しいのは息子の無実を疑ってしまったこと」――いわゆる“なりすましウイルス”事件で、誤認逮捕された大学生の父親がコメントを発表した。

[産経新聞]
産経新聞

 横浜市のホームページに小学校襲撃予告が書き込まれた事件で誤認逮捕され、家裁が保護観察処分を取り消した男子大学生(19)の父親は30日、以下のコメント(全文)を発表した。

 マスコミの皆様へ

 今回の誤認逮捕の件につきまして、一言述べさせていただきます。大学生の息子は、学業半ばにして深夜突然、連行・逮捕されました。当人の強い否認にもかかわらず、十分なパソコンデータの解析も行われないまま取り調べが続きました。警察・検察双方からの不当な圧力を受け、理不尽な質問で繰り返し問い詰められ続けました。勾留期限が迫り、また家族への配慮と自分の将来を考え、絶望の中で事実を曲げ「自分がやった」という自供をし、保護観察処分となりました。無実である証拠が出てくることを切望し待ち続けながらも、諦めざるを得なかった息子の心情を思うと、やりきれないものがあります。そして、真実を封印しながら生きていくことを選んだ息子の胸中を察すると、親としては、断腸の思いです。

 こうして警察・検察が誤認逮捕を認め、家庭裁判所が保護処分取り消しを行うという結果にはなりましたが、逮捕されてからの息子本人と家族の苦悩と心の痛みは決して癒えることはありません。最も悲しいのは、親が息子の無実を疑ってしまったことです。

 この件は、警察の構造的な問題、体質的な問題であり、本来国民を守るべき警察が、捜査の怠慢によって無実の国民、しかも少年を誤認逮捕し、冤罪に至らしめるという最もあってはならない事態です。真犯人の方が遙かに警察当局よりも優れたコンピュータの技量をもっているのを指をくわえて見ている情けない状況です。このようなことが二度と起きないように徹底的な検証と意識改革をするべきだと思います。

 保護観察処分取り消しとなった息子には、心と体をゆっくりと休め、落ち着いた生活をさせたいと思います。マスコミの皆さんには、過日のような加熱した取材を厳に謹んでいただきたいと思います。この書面が私と息子、および家族の今回の件に関するすべての意見です。今後の取材にはいかなる形でも一切応じませんので悪しからずお願いいたします。

   平成24年10月30日

      少年の父親

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