兵庫県尼崎市の連続変死事件をめぐり、事件とは関係のない女性の写真が角田美代子被告(64)=傷害致死罪などで起訴=のものとして複数のメディアに報道された問題で、新聞やテレビ各社は30日深夜から31日昼にかけて相次いで誤りを認め、紙面や放送でおわびを表明した。
読売新聞は31日付朝刊の社会面で「角田美代子被告の顔写真として、別の方の写真を誤って掲載していました。本人確認が不十分でした」とするおわび記事を掲載。発覚の経緯について、角田被告側の弁護人から本人ではないという指摘があり、女性からも抗議があったとした。
共同通信は31日午前、加盟社に対し、おわびの記事を配信した。吉田文和編集局長が「絶対にあってはならないミスです。複数の関係者から証言を得ていましたが、結果的に確認が不十分でした。取材を検証し、再発防止に努めます」との談話を出した。
産経新聞は大阪本社発行の紙面では写真を使っていないが、東京本社発行の一部地域の24日付朝刊で共同通信から配信された写真を掲載。広報担当者は「対応を検討中」としている。
テレビ各社も別人の女性の写真をそれぞれ放映したことを認めた。NHKをはじめ、関西テレビと読売テレビ、朝日放送、毎日放送の各民放は30日深夜から31日昼にかけて、ニュース番組で陳謝した。
一方、22日付朝刊に女性とみられる写真を掲載した毎日新聞は、朝日新聞の取材に対し事実関係を確認中と回答。31日付朝刊には「美代子被告の知人らから確認の上、この顔写真を掲載しましたが、周辺取材を再度進めています」とするコメントを掲載した。