福島知事:早期賠償改めて申し入れ 東電社長と面会
毎日新聞 2012年10月31日 11時34分(最終更新 10月31日 11時57分)
東京電力福島第1原発事故の賠償が進んでいないことを受け、福島県の佐藤雄平知事は31日、県庁で広瀬直己・東電社長と面会し、十分な賠償の早期実施を改めて申し入れた。広瀬社長は「知事の話を重く受け止め、一生懸命努力していく」と答えた。
佐藤知事は冒頭、「事故の原因者として完全な賠償をするよう何度も要望しているが、不十分な対応と言わざるをえない」と抗議。県内の市町村や商工団体などで作る「県原子力損害対策協議会」(会長・佐藤知事)が今年5月、自主的避難者に対する賠償基準の提示を求めたが実施されていない問題を指摘したほか、避難区域再編に伴う財物賠償などに責任を果たすよう求め、申し入れ書を手渡した。
広瀬社長は面会後、記者団に「いずれも大きな課題。できるだけその方向で進めていきたい」と述べたが、自主的避難者への賠償については明言せず、財物賠償についても実施時期について明確な発言はなかった。【蓬田正志】