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東日本大震災:七十七銀女川支店損賠訴訟 「原因解明し謝罪を」 遺族ら陳述、地裁で初弁論 /宮城

毎日新聞 10月31日(水)11時15分配信

 ◇被告は請求棄却求める

 東日本大震災の津波で七十七銀行女川支店(女川町)の従業員が死亡・行方不明となったのは同行が避難誘導などで安全配慮義務を怠ったためだとして、従業員3人の遺族らが同行に約2億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、仙台地裁(斉木教朗裁判長)であった。従業員側は3人が意見陳述し、犠牲となった命を無駄にしないよう繰り返し述べたうえで「原因を解明し、納得できる謝罪をしてほしい」と訴えた。同行側は「安全配慮義務違反はなかった」として、請求棄却を求めた。【須藤唯哉】
 この日、意見陳述したのは行方不明になった高松祐子さん(49)と亡くなった田村健太さん(当時25歳)、丹野美智子さん(当時54歳)の遺族や家族。
 高松さんの夫康雄さん(55)は「文書や情報の開示を求めたが応じてくれることはなかった。それどころか合同慰霊祭が終わると事実上話し合いを拒否し、行方不明者の捜索すらしない状況になった」と銀行に対する不信感をあらわにした。
 目の前に遺影を置いて陳述した田村さんの母弘美さん(50)は震災後、現場を案内した際の銀行側の対応について「スーツ、革靴姿と捜索にはほど遠い姿。バスの中では笑い声まであり、事実に向き合う姿ではなかった」と振り返り、「人命を守ることが最優先と念じ、業務にまい進してほしい」と声を震わせながら強調した。
 訴状によると、同支店は海岸から約100メートル。同支店から約260メートル離れた裏山が指定避難場所だったが、震災直後に行員ら13人は当時の支店長の指示で2階建ての支店屋上(高さ約13メートル)に避難。津波で全員流され、計12人が死亡・行方不明となった。丹野さんの妹礼子さん(54)は閉廷後の記者会見で「真実を明らかにして企業の法的責任をきちんと認めて謝罪し、抜本的な再発防止を提示してほしい」と話した。
 一方、同行広報・関連事業課は「今後司法の場で当行の考え方を明確にしていきたい」としている。
10月31日朝刊

最終更新:10月31日(水)11時15分

毎日新聞

 

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