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メタンハイドレート日本海側広く存在か
10月29日 18時9分

メタンハイドレート日本海側広く存在か
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新たなエネルギー源として期待を集めている天然ガスの一種、「メタンハイドレート」が、太平洋側だけでなく、日本海側でも広い範囲に存在する可能性が高いことを明治大学などの研究チームが発見しました。
研究グループは今後、埋蔵量を詳しく調査することにしています。

メタンハイドレートは、メタンガスと水が結びついて、氷のようになっている天然ガスの一種で、圧力が高く、温度の低い海底の地下などに存在しています。
日本周辺では、これまでに太平洋側の東海地方から和歌山県にかけての沖合などや、日本海側では、新潟県の沖合の海底で見つかっていました。
こうしたなか、明治大学の松本良特任教授たちの研究グループは、去年からことしにかけて、北海道の網走沖のオホーツク海と、秋田県の沖合の日本海の海底をボーリング調査しました。
その結果、いずれの場所でも、陸からおよそ30キロから50キロ沖合の、水深およそ800メートルから1000メートルの海底で、地中数メートルの場所からメタンハイドレートの塊を発見したということです。
さらに、研究グループが島根県から兵庫県の沖合の日本海についても、船から音波を使って調べたところ、メタンハイドレートが存在する可能性が高いことを示す「ガスチムニー」と呼ばれる構造があることが分かったということです。
「ガスチムニー」は、海底にメタンガスなどが吹き出している状態を言い、研究グループでは、日本海やオホーツク海の広い範囲に、メタンハイドレートが存在している可能性が高いとみて、今後、埋蔵量を詳しく調査することにしています。
松本良特任教授は「今回の発見で見つかったメタンハイドレートが資源化できれば、エネルギーの大部分を輸入に頼っている日本にとって、大いに役に立つのではないか」と話しています。

メタンハイドレートとは

メタンハイドレートは、メタンガスと水が結びついて氷のようになっている天然ガスの一種で、日本周辺には、天然ガスの国内消費量に換算すると、およそ100年分が存在するという専門家の分析もあります。
これまでに、太平洋側の東海地方から和歌山県にかけての沖合などと、日本海側では新潟県の沖合の海底で存在が確認されていて、ことし2月には、国が愛知県の渥美半島の沖合で世界で初めて海上での採掘試験を行いました。
日本海側の1府9県でつくる資源開発の協議会は今月、日本海側でも本格的な採掘調査を進めるよう国に要望を行っており、今回、日本海やオホーツク海の広い範囲に存在する可能性が高いことが分かったことで、詳しい埋蔵量の調査が急がれています。

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