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【暮らし】

障害者虐待防止法施行 家庭内に立ち入りも

 「障害者虐待防止法」が、一日に施行された。虐待を受けた障害者の保護などを素早くできるよう、市町村や東京都の区に相談や一時保護の体制整備を義務付けた。併せて、被害者の生命に関わる重大な危険があると判断した場合は、家族の許可がなくても、家庭内に立ち入り調査できるようになった。 (佐橋大)

 障害者虐待防止法は一九九〇年代以降、障害者を雇用する職場や入所施設での虐待事件が相次いだことを背景に作られた。理由のない身体拘束などの身体的虐待、暴言などの心理的虐待など五つに分類=図。こうした虐待を、家族や職場の上司・同僚、施設の職員がするのを禁じ、気付いた人には、市町村などに通報を義務付けた。

 施設や職場での虐待なら、市町村は県に連絡し、県や労働局の指導などで虐待をやめさせる。家族による虐待なら、必要に応じて障害者を一時保護し、障害者の権利擁護のため、成年後見制度の利用を申し立てる。虐待した家族の支援も市町村の役割とした。サービスをうまく使えず、ストレスがたまり、障害者を虐待してしまう家族もいるからだ。

 市町村は、通報を受ける体制を整備した。例えば名古屋市。従来、区の福祉課や障害者地域生活支援センターが、虐待の相談を受けていた。一日からは、同市北区の市総合社会福祉会館にある高齢者虐待相談センターに、障害者虐待の窓口「障害者虐待相談センター」を併設し、平日昼間はここでも相談を受ける。

 また市は、これまで対応できていなかった休日と夜間に、市内の障害者事業所に委託して、専用の相談電話を開設。職員が緊急の対応が必要と判断すれば、各区の担当者らが障害者の保護などに動く。市内の施設と、一時避難用のベッドを常に一つは空けておく契約も結んだ。

 愛知県によると、県内の多くの市町村は平日昼間、福祉課などが「虐待防止センター」として通報に対応。夜間と休日は代表電話で通報を受け、職員に連絡する。

 東京都は、都のホームページ(「東京都福祉保健局」「障害者虐待防止法」で検索)に窓口の一覧を掲載。「通報先を示すことで、通報のハードルを下げるのが目的」と担当者。小さな町村では、休日と夜間の連絡先がない所もある。

 

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