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仙台空港に不発弾 全92便が欠航 滑走路付近、陸自処理へ

仙台空港の誘導路近くで、不発弾の発見現場を調べる自衛隊員ら=30日午前10時ごろ

仙台空港の位置図

 仙台空港(岩沼、名取両市)の滑走路近くの工事現場で不発弾1個が見つかったとして、国土交通省仙台空港事務所は30日午前7時半ごろ、滑走路を終日閉鎖し、同空港を発着する国際線と国内線の定期便全92便を欠航すると発表した。陸上自衛隊などが不発弾の処理方法を検討している。空港関係者によると、不発弾の発見は初めてだという。

 岩沼署などによると、不発弾は長さ110センチ、直径35センチ、重さ約250キロ。赤茶色にさび付き、太平洋戦争中に米軍が投下した「500ポンド爆弾」とみられる。空港ビルから西に約1.2キロの敷地内で発見され、約3000メートルの滑走路と並行している誘導路から南側に約40メートル。東日本大震災の津波で浸水し、復旧工事中だった。
 空港事務所によると、29日午後10時5分ごろ、震災の地盤沈下対策として、工事業者が重機で排水路を掘削中、深さ50〜60センチの地中に不発弾が半分ほど埋まっているのを見つけ、岩沼署に通報した。30日午前5時35分ごろ、処理の専門部隊がある陸自神町駐屯地(東根市)が不発弾と確認した。
 陸自は不発弾の起爆装置となる信管の状態を確認する必要があると判断。30日午前9時50分ごろからクレーン車など計8台を使い、確認作業に入った。信管を外せない不発弾の場合、現場で爆破処理が必要になるという。
 陸自などは不発弾の周囲に高さ4.5メートル、厚さ1メートルの土のう約600個を積む安全対策を取る方針。
 地元の岩沼、名取両市はそれぞれ対策本部を設置し、ラジオなどで空港付近に近づかないよう呼び掛けた。岩沼市によると、安全対策を取らずに爆発した場合、飛散範囲が最大で約1.1キロになる可能性があり、周辺住民を避難させるかどうかを判断するため情報収集を進めている。
 現場南側の岩沼市側には臨空工業団地が隣接し、工場が集積している。


2012年10月30日火曜日


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