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国際
【湯浅博の世界読解】米国が復活してきた
2012.7.25 15:26
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時代の先を読む英誌エコノミストが、ついに「米国復活論」に踏み切った。表紙の風刺画は、老け顔のアンクルサムながら、上半身はたくましい筋肉を復活させたボディービルダー風だ。米経済の挽回を意味する「カムバック・キッド」の見出しを掲げた。
消費者の節約で家計債務が低下し、米国の銀行も速いペースで債務処理が進んでいる。そのうえ、新しい産業が下支えを始めた。1990年代に米経済の失速を救ったのは、情報技術(IT)の新しい波だったが、今回のうねりは意外なところからやってきた。
シェールガスという米国内で産出するエネルギーの採掘技術が、米国のパワーを回復する原動力になりつつあるという。石油メジャーが見切りをつけて去った後も、中規模業者はヤンキー魂で採掘に挑んだ。
アメリカン・ドリーム風の成功物語だから、米国が勢いづかないわけがない。シェールガス産業は、2010年までの5年間に年45%で成長し、今後、1世紀にわたって現在の採掘量の生産ができるという。
しかもエコノミスト誌は、急成長する上海の魔天楼にまで米国復活の兆しを見ている。建設中の中国一のノッポビル「上海タワー」が米国企業の設計施工であり、中国の需要が米国の外需を押し上げるという構図があると紹介する。
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