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国際
【湯浅博の世界読解】民主主義が「戦略の核心」
2012.8.8 15:14
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ASEANは南シナ海での対立を緩和する「行動宣言」を、法的な拘束力のある「行動規範」にするよう中国と交渉してきた。しかし、今年7月のASEAN外相会議は、領有権をめぐって中国と対立した。中国よりの議長国カンボジアが、フィリピン、ベトナムの要求を拒否して共同声明の採択ができなかった。ASEANの45年の歴史で初めてのことだった。
勢いづいた中国は、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島など3諸島に「海南省三沙市」を樹立し、米中間がにわかに緊張の度を深めている。特に、西沙(パラセル)諸島最大の島、永興島に中国が守備隊を配備するとの決定は、米国を怒らせた。
米シンクタンク、AEIのM・オースリン日本部長はナショナル・レビュー誌に「北京はその侵略意図を証明した」と題して、「中国の覇権の始まりであり、力による地域政治という新たな規範の出現である」と警鐘を鳴らした。オバマ政権がただちに、永興島への配備に非難声明をだすと、ついに米上院までが「米軍の西太平洋での活動強化」を支持する決議を採択した。
6日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、南シナ海や東シナ海での米中緊張は、中国海洋石油(CNOOC)の北米進出を複雑なものにすると警告した。同石油の親会社が中国による南シナ海の領有権主張で攻撃的な後押しをしているからだ。
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