♯1=数年前の10月の全国体育大会。女子バスケットボール一般部ベスト8入り試合で、某地方自治体所属のAチームは、相手のKチームに61―59でかろうじて勝った。Kチームとは宿命のライバルであり、Kチームは主な決勝試合のたびに、Aチームの足を引っ張るのが常だった。Kチームを抑えたAチームは、勝ち進んだ末、決勝戦でもD実業チームを、60―57で破って優勝した。実力での勝利だとばかり思われていたが、その裏では、醜く黒い取引があった。当時、ベスト8入りを控えた10月4日、Aチームの関係者は、大韓バスケットボール協会のC審判委員長(60)に200万ウォンを渡すなど、全国体育大会の前後に、審判割り振り権限を持っているC氏などに、4度にわたり計900万ウォンを手渡した。
♯2=昨年、某男子高校バスケットボールチームのKコーチは全国大会を控え、K審判から一通の電話を受けた。「あなたのチームの主攻撃主はかなりの反則を犯している。このままだと、今度の試合では、5回反則で退場になり得る」という内容だった。Kコーチはこの審判に、「大目に見てほしい」と頼み、借名口座に100万ウォンあまりを振り込んだ。
♯3=10年、某女子高校バスケットボールチームのPコーチも某審判から、「今日の試合では、選手たちがかなり反則をしてたではないか。次回の試合では、厳しく処理する」という電話を受けた。Pコーチは10年から昨年にかけて、この審判に対し、6度にわたり、計300万ウォンあまりを渡した。
サッカーや野球に続き、アマチュアバスケットボールでも、黒い金がやり取りされたことが確認の結果わかった。きれいなはずのスポーツ試合で、勝負に勝つため、審判に金を渡したのだ。さらに、今回の事例はプロではない、全国小中高校や大学、実業チームのバスケットボールで起こったことであり、「金品の授受のないスポーツなどない」という言葉まで出ている。
釜山(プサン)地方警察庁捜査2係は29日、全国規模のさまざまなバスケットボール大会で、有利な判定を下す見返りとして、億ウォン単位に上る金品を授受した収賄などの容疑で、大韓バスケットボール協会審判委員長などの協会関係者や審判、バスケットボールチームの監督やコーチ、保護者など151人を摘発した。このうち、バスケットボール協会のC副会長やJ審判委員長など73人は在宅起訴し、残りの78人は、不正事実を該当教育庁とバスケットボール協会に通知した。
審判の割り振り権限を持っているバスケットボール協会審判部の重要幹部らは、08年1月から今年6月にかけて、全国の学校や実業チームの監督97人から、「試合で有利になるよう、特定審判を割り振ってほしい」という請託を受け、256度にわたり、計1億9000万ウォンあまりを受け取った容疑がもたれている。
協会所属のK審判も、「試合の際、判定を有利にしてほしい」という請託を受け、155度にわたり、計5700万ウォンを受け取った容疑がもたれている。アマチュア試合の審判として、バスケットボール協会に登録されている28人のうち、16人が、このような不正を働いたことが、捜査の結果わかった。
審判らは、試合を前後に、バスケットボールチームのコーチなどに、「次回の試合のときは、反則について厳しく見守るぞ」、「主攻撃主が、5反則で退場させられかねない」という脅迫まがいの電話をかけて、金品を受け取る手口として使ったことが、調査の結果わかった。
協会の関係者や審判らにお金を渡したバスケットボールチームの監督やコーチなどは、大会の優秀選手に選ばれた保護者に金品や費用を要求したり、保護者会のレベルで上納金を準備するよう働きかけたという。
収賄の容疑がもたれている該当審判などは、警察の取調べで、「勝負の八百長はなかった。ただ、判定にやや影響はあった」と供述したという。リュ・サムヨン捜査2係長は、「試合前に金品を渡し、特定審判が割り振られたことから見て、八百長があった可能性についても捜査している」とし、「しかし、プロバスケットボール試合での審判買収はまだ確認されていない」と述べた。
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