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アレルギー注意怠る、男児死亡は児相に過失 横浜市に賠償命令/横浜地裁

2012年10月30日

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 横浜市の児童相談所で2006年、一時保護された男児=当時(3)=に、アレルギー源を含む食物を与えて死亡させたなどとして、両親が横浜市などに対し約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は30日、食事と死亡に因果関係があったとして、市の責任を一部認め、約5090万円の支払いを命じた。

 森義之裁判長は「児相は、男児がアレルギー反応を示す卵を含むちくわを誤って食べさせた過失がある」と注意義務を怠った点を指摘。死因についても急性アレルギー反応の「アナフィラキシーショックを引き起こし、死亡させた」とし、食事との因果関係を認め、市は賠償責任を負うと結論付けた。

 原告は、男児が入通院していた国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)が「栄養ネグレクトがある」と通告をしたため一時保護になったとして、国の通告責任も訴えていた。

 これに対し、森裁判長は「食物アレルギーによる食事制限という事情があったとしても、両親が必要な栄養を与えていなかったことなどには変わりがなく、センターの通告は必要かつ合理的なものだった」とした。

 また、一時保護決定をした市の判断についても「合理的根拠があり、違法ではない」として、「保護は必要なかった」とする原告の訴えを退けた。

 判決によると、センターは06年6月、横浜市の児相に「両親が適切な栄養を与えていない」などとして「栄養ネグレクト」と通告。児相は通告を受けて男児を保護したが、同7月、一時保護所でアレルギーのある食品を誤って食べさせ、男児は死亡した。

 判決後、男児の父親(51)は「通告、一時保護が適切ではないとする主張が認められなかったのは残念。元気に楽しく過ごしていた長男は帰ってこない。(同様の事故が起こらないよう)市は必要な取り組みを進めてもらいたい」と話した。

 市は「判決内容を精査して、対応を検討していく」とし、センターは「ネグレクトによる通告をした点について当方の主張が認められたと考えている」とコメントした。

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